HEART's Original [臨床研究] 特徴的な3種の心筋マーカー(ミオグロビン,CK-MB,心筋トロポニンI)の同時測定法による急性心筋梗塞の早期診断の有用性

胸痛を訴えて救急外来を受診した162例を対象に,3種の心筋マーカー:ミオグロビン(My),CK-MB,心筋トロポニンI(Tn I)を同時測定することによる急性心筋梗塞の迅速診断の有用性を検討した.最終的に急性心筋梗塞と診断されたのは53例(32.7%)であった.本システムにおける各種心筋マーカーの(1)カットオフ値,(2)有病正診率が80% 以上を示す発症経過時間, (3)感度, (4)特異度は, それぞれM y (107ng /mL ,3時間未満,88.7%,51.4%),CK-MB(4.3ng/mL,3-6時間,64.2%,75.2%),Tn I(0.4ng/mL, 6時間以上,35.8%...

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Published in心臓 Vol. 39; no. 6; pp. 520 - 527
Main Authors 渡辺, 剛毅, 廣江, 道昭, 田中, 由利子, 舩津, 篤史, 岡崎, 修, 河野, 裕, 上林, 大輔, 中村, 茂, 坂本, 久, 溝口, 哲, 小林, 智子, 溝渕, 正寛, 三木, 真司, 加藤, 雅史, 柴田, 兼作, 水谷, 智, 横内, 到, 大野, 美紀子, 樫田, 光夫, 木村, 昭夫, 円城寺, 由久
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 2007
Subjects
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo1969.39.6_520

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Summary:胸痛を訴えて救急外来を受診した162例を対象に,3種の心筋マーカー:ミオグロビン(My),CK-MB,心筋トロポニンI(Tn I)を同時測定することによる急性心筋梗塞の迅速診断の有用性を検討した.最終的に急性心筋梗塞と診断されたのは53例(32.7%)であった.本システムにおける各種心筋マーカーの(1)カットオフ値,(2)有病正診率が80% 以上を示す発症経過時間, (3)感度, (4)特異度は, それぞれM y (107ng /mL ,3時間未満,88.7%,51.4%),CK-MB(4.3ng/mL,3-6時間,64.2%,75.2%),Tn I(0.4ng/mL, 6時間以上,35.8%,92.7%)であった.単項目の測定における検査後オッズおよび検査後確率は,My(0.89,47.0%),CK-MB(1.26,55.7%),Tn I(2.38, 70.4%)であり,単独では確定診断や除外診断には不十分であった.3項目同時測定では,3項目同時陽性のとき,その検査後オッズおよび検査後確率は11.21および91.8%であり,確定診断が可能なレベルにあることが示唆された.また,3項目同時陰性のとき,その検査後オッズおよび検査後確率は0.04および3.4%であり,除外診断が可能なレベルにあることが示唆された. 3項目同時測定する本法は,ベッドサイドでより正確な確定診断や除外診断が可能な,有用な方法であった.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo1969.39.6_520