磁石圧迫吻合部狭窄解除術(第2山内法)により治療しえた腹腔鏡下低位前方切除術後直腸閉塞の1例
症例は68歳の男性で,S状結腸と直腸の重複癌に対し,腹腔鏡下低位前方切除術を施行した.術後,縫合不全による腹膜炎と腹腔内膿瘍を来し,横行結腸に人工肛門を造設した.ドレナージによる保存的治療で軽快し退院となったが,3か月後,注腸検査で直腸吻合部の完全閉塞が確認された.同時期に診断された結核治療後,人工肛門閉鎖と腸管吻合部閉塞解除を試みることになったが,本症例では内視鏡的切開または再手術が困難であると判断し,磁石圧迫吻合部狭窄解除術(第2山内法)を行った.術後約4年が経過し,閉塞部の開通は保たれている.本法は難治性消化管狭窄/閉塞において侵襲が極めて少なく,有効な手段であると考えられた....
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Published in | 日本消化器外科学会雑誌 Vol. 53; no. 2; pp. 172 - 180 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本消化器外科学会
01.02.2020
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Subjects | |
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ISSN | 0386-9768 1348-9372 |
DOI | 10.5833/jjgs.2018.0187 |
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Summary: | 症例は68歳の男性で,S状結腸と直腸の重複癌に対し,腹腔鏡下低位前方切除術を施行した.術後,縫合不全による腹膜炎と腹腔内膿瘍を来し,横行結腸に人工肛門を造設した.ドレナージによる保存的治療で軽快し退院となったが,3か月後,注腸検査で直腸吻合部の完全閉塞が確認された.同時期に診断された結核治療後,人工肛門閉鎖と腸管吻合部閉塞解除を試みることになったが,本症例では内視鏡的切開または再手術が困難であると判断し,磁石圧迫吻合部狭窄解除術(第2山内法)を行った.術後約4年が経過し,閉塞部の開通は保たれている.本法は難治性消化管狭窄/閉塞において侵襲が極めて少なく,有効な手段であると考えられた. |
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ISSN: | 0386-9768 1348-9372 |
DOI: | 10.5833/jjgs.2018.0187 |