臨床 急性心筋梗塞における心室自由壁破裂23例の臨床的検討発症様式および誘因について

鹿児島CCU連絡協議会で1984年6月から1988年5月までに経験した急性心筋梗塞628例中,自由壁破裂23例において,臨床的特徴およびその発症様式と誘因について検討した. 破裂群は非破裂群に比べ,高齢者,女性に有意に多く,また,心破裂発生頻度は,高血圧の既往例,来院前の安静が守れなかった例,広範前壁梗塞例,持続的ST上昇例に有意に高率であった. 48時間以内に心エコーにて確認した心嚢液貯留群における心破裂発生頻度は20.4%で,非貯留群の3.0%に比し,有意に高値を示した(p<0.001). 梗塞発症から心破裂までの経過時間の分布は,48時間以内の急性期に16例,5~7日目の亜急性期に...

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Published in心臓 Vol. 23; no. 6; pp. 626 - 633
Main Authors 宮田, 昌明, 山口, 浩士, 有馬, 新一, 中尾, 正一郎, 田中, 弘允, 野元, 域弘, 川滝, 正光, 石神, 稔朗, 沖野, 秀紀, 田原, 稔, 鳥居, 博行, 外山, 芳史, 厚地, 良彦, 杉田, 市朗, 三浦, 清春
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 1991
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Summary:鹿児島CCU連絡協議会で1984年6月から1988年5月までに経験した急性心筋梗塞628例中,自由壁破裂23例において,臨床的特徴およびその発症様式と誘因について検討した. 破裂群は非破裂群に比べ,高齢者,女性に有意に多く,また,心破裂発生頻度は,高血圧の既往例,来院前の安静が守れなかった例,広範前壁梗塞例,持続的ST上昇例に有意に高率であった. 48時間以内に心エコーにて確認した心嚢液貯留群における心破裂発生頻度は20.4%で,非貯留群の3.0%に比し,有意に高値を示した(p<0.001). 梗塞発症から心破裂までの経過時間の分布は,48時間以内の急性期に16例,5~7日目の亜急性期に7例で二峰性のピークを示した. また,心破裂の発症様式を,突発型13例,前兆破裂型8例,および切迫型2例の3型に分類し,発生時期との関係をみると,48時間以内の急性期には,3型が混在したが,5~7日目の亜急性期には,突発型のみが存在し発生時期により発症様式に差を認めた. 治療内容別の心破裂発生頻度は,保存的治療群の3.1%に比し,ICTやPTCA成功群では1.9%と有意に低く(p<0.05),不成功群では15.9%と有意に高値を示した(p<0.001). Blowoutした心破裂21例の約半数に,排便,咳漱等の直接誘因を認めた.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo1969.23.6_626