犬の全身吸入麻酔の麻酔前投薬-導入薬としてのメデトミジン-チオペンタール, メデトミジン-ケタミン, メデトミジン-プロポフオールの臨床的検討

犬150頭 (ASA分類Class IおよびII, 6.0±4.2歳) の麻酔前投薬と導入薬として, メデトミジン5μg/kgの前投薬後, 導入薬としてチオペンタール12.5mg/kg (MT群), ケタミン5mg/kg (MK群) またはプロポフォール4mg/kg (MP群, 各群50頭) を静脈内投与し, 50%笑気-50%酸素-セボフルラン麻酔を実施した. 導入時にMK群8頭に痙攣, MP群1頭に血管痛を認めた. 挿管後, MT群では高率に無呼吸となり, 32頭に調節呼吸を実施した. 術中の終末呼気セボフルラン濃度は, MT群1.6~1.7%, MK群1.9~2.0%, MP群2.1~2...

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Published in日本獣医師会雑誌 Vol. 54; no. 4; pp. 282 - 287
Main Authors 戸田, 博子, 山下, 和人, 中島, 真由美, 都築, 圭子, 泉澤, 康晴, 佐々木, 康, 小池, 政紀, 小谷, 忠生
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本獣医師会 2001
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ISSN0446-6454
2186-0211
DOI10.12935/jvma1951.54.282

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Summary:犬150頭 (ASA分類Class IおよびII, 6.0±4.2歳) の麻酔前投薬と導入薬として, メデトミジン5μg/kgの前投薬後, 導入薬としてチオペンタール12.5mg/kg (MT群), ケタミン5mg/kg (MK群) またはプロポフォール4mg/kg (MP群, 各群50頭) を静脈内投与し, 50%笑気-50%酸素-セボフルラン麻酔を実施した. 導入時にMK群8頭に痙攣, MP群1頭に血管痛を認めた. 挿管後, MT群では高率に無呼吸となり, 32頭に調節呼吸を実施した. 術中の終末呼気セボフルラン濃度は, MT群1.6~1.7%, MK群1.9~2.0%, MP群2.1~2.3%であった. いずれも術中の心拍数は110回/分, 平均動脈血圧は100~120mmHg前後で推移し, 麻酔終了後5分前後で抜管することができた. これらの組み合わせは全身状態の良好な犬臨床例に有用と考える.
ISSN:0446-6454
2186-0211
DOI:10.12935/jvma1951.54.282