症例 動脈管開存を伴わず心室中隔欠損を合併した大動脈弓離断症の1乳児例

大動脈弓離断症は先天性心疾患の中でもまれな奇形で,そのほとんどは心不全等の進行により新生児期に手術を必要とする.本症は,ほとんどに動脈管開存を伴い,下半身の血流が保たれている. しかし,本症の中にはまれに動脈管開存を伴わず,心不全症状も軽いため年長児や成人になって発見される場合がある.今回このような症例を我々の調べ得た範囲内で集計してみると20例であった.その臨床像をみると,心内短絡奇形を合併した場合は,遅くとも幼児期までに心不全症状が発現しており,心内短絡奇形を合併しない場合に比べて症状発現までの年齢が低いことがうかがえた....

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Published in心臓 Vol. 26; no. 8; pp. 836 - 842
Main Authors 永迫, 博信, 野村, 裕一, 奥, 章三, 角, 秀秋, 本田, 悳, 中村, 真, 宮田, 晃一郎, 砂川, 博史, 吉永, 正夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 1994
Subjects
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo1969.26.8_836

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Summary:大動脈弓離断症は先天性心疾患の中でもまれな奇形で,そのほとんどは心不全等の進行により新生児期に手術を必要とする.本症は,ほとんどに動脈管開存を伴い,下半身の血流が保たれている. しかし,本症の中にはまれに動脈管開存を伴わず,心不全症状も軽いため年長児や成人になって発見される場合がある.今回このような症例を我々の調べ得た範囲内で集計してみると20例であった.その臨床像をみると,心内短絡奇形を合併した場合は,遅くとも幼児期までに心不全症状が発現しており,心内短絡奇形を合併しない場合に比べて症状発現までの年齢が低いことがうかがえた.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo1969.26.8_836