症例 原発性心内膜線維弾性症の1家族例

原発性心内膜線維弾性症(以下PEFF)の家族例を報告する.症例は1歳9カ月で死亡した男児.5人兄弟の第5子で,兄は山形大学における心臓精密検査の結果,P-EFEの疑いと診断されている.生下時体重は3,400gで周産期に特別な問題はなく,生後20日目の胸部X線像,心電図では有意な異常を認めなかったが,4カ月時感冒症状を契機に心不全症状を呈し,超音波検査にて左房,左室の拡大,左室駆出率の著明な低下を認めた.5カ月,心臓精密検査と左室心内膜心筋生検を行い,P-EFEの確定診断を得た.1歳9カ月時に突然心停止を起こし死亡した.剖検では両室の拡張,肥大を認め,左室内面は弾性線維で覆われ,特に中隔側では1...

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Published in心臓 Vol. 20; no. 6; pp. 709 - 714
Main Authors 根本, 大輔, 松野, 健一, 所澤, 剛, 川村, 公一, 高田, 五郎, 三浦, 靖徳, 東, 音高, 原田, 健二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 1988
Subjects
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo1969.20.6_709

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Summary:原発性心内膜線維弾性症(以下PEFF)の家族例を報告する.症例は1歳9カ月で死亡した男児.5人兄弟の第5子で,兄は山形大学における心臓精密検査の結果,P-EFEの疑いと診断されている.生下時体重は3,400gで周産期に特別な問題はなく,生後20日目の胸部X線像,心電図では有意な異常を認めなかったが,4カ月時感冒症状を契機に心不全症状を呈し,超音波検査にて左房,左室の拡大,左室駆出率の著明な低下を認めた.5カ月,心臓精密検査と左室心内膜心筋生検を行い,P-EFEの確定診断を得た.1歳9カ月時に突然心停止を起こし死亡した.剖検では両室の拡張,肥大を認め,左室内面は弾性線維で覆われ,特に中隔側では1mrnにも達していた.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo1969.20.6_709