第2回 不整脈薬物治療フォーラム 心房停止に対しシロスタゾールが著効した-小児例

幼児期に洞不全症候群を発症し,その後心房停止へと進行した小児患者の一例を経験した.この症例は,無症候性の徐脈牲不整脈で,心筋生検,胸部X線写真,心エコーで器質的心疾患を示唆する所見を認めなかったが,心房興奮はごく一部を除いて消失していた.運動負荷における心拍数上昇は保たれており,His束近傍,右房の頻回ペーシングで房室結節は抑制されなかった.Narrow QRSにHis東電位が先行し,房室結節調律が不焼則ながらも存在していた.ペースメーカを用いずに,心拍数上昇を期待してシロスタゾール100rng/日を投与したところ,洞調律への復帰とホルター心電図所見の著明な改善を認めた....

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Published in心臓 Vol. 37; no. 9; pp. 777 - 778
Main Authors 下川, 淳一, 横式, 尚司, 安藤, 康博, 佐々木, 孝治, 筒井, 裕之, 村上, 智明, 武田, 充人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 2005
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Summary:幼児期に洞不全症候群を発症し,その後心房停止へと進行した小児患者の一例を経験した.この症例は,無症候性の徐脈牲不整脈で,心筋生検,胸部X線写真,心エコーで器質的心疾患を示唆する所見を認めなかったが,心房興奮はごく一部を除いて消失していた.運動負荷における心拍数上昇は保たれており,His束近傍,右房の頻回ペーシングで房室結節は抑制されなかった.Narrow QRSにHis東電位が先行し,房室結節調律が不焼則ながらも存在していた.ペースメーカを用いずに,心拍数上昇を期待してシロスタゾール100rng/日を投与したところ,洞調律への復帰とホルター心電図所見の著明な改善を認めた.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo1969.37.9_777