第2回 不整脈薬物治療フォーラム 発作性心房細動に対するupstream療法としてのACE-I・ARBの有用性

発作性心房細動(PAF)でベプリジル(Bpd)投与中の191例(年齢66±11歳,男性139例)に対するACE阻害薬(ACE-I)とARB(ACE-I/ARB)併用の有用性を後ろ向きに検討した.基礎疾患は高血圧,僧帽弁弁膜症,虚血性心疾患などで,心エコー上,左室駆出率(EF)69±9%,左房径38±6mmであった. 191例中155例(81%)で予防効果を認め(平均観察期間16.2カ月),有効例と無効例では年齢,Bpd用量,EF,左房径に差はなかった.ACE-I/ARB併用の60例と非併用群131例の臨床背景では,年齢Bpd用量,EF,左房径に差はないが,高血圧は併用例で35例(58%)と非併...

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Published in心臓 Vol. 37; no. 9; pp. 798 - 800
Main Authors 中里, 祐二, 飯田, 洋司, 佐々木, 怜聡, 河野, 安伸, 土屋, 洋人, 代田, 浩之, 安田, 正之, 西澤, 寛人, 山下, 晴世, 中里, 馨, 戸叶, 隆司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 2005
Subjects
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo1969.37.9_798

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Summary:発作性心房細動(PAF)でベプリジル(Bpd)投与中の191例(年齢66±11歳,男性139例)に対するACE阻害薬(ACE-I)とARB(ACE-I/ARB)併用の有用性を後ろ向きに検討した.基礎疾患は高血圧,僧帽弁弁膜症,虚血性心疾患などで,心エコー上,左室駆出率(EF)69±9%,左房径38±6mmであった. 191例中155例(81%)で予防効果を認め(平均観察期間16.2カ月),有効例と無効例では年齢,Bpd用量,EF,左房径に差はなかった.ACE-I/ARB併用の60例と非併用群131例の臨床背景では,年齢Bpd用量,EF,左房径に差はないが,高血圧は併用例で35例(58%)と非併用例の54例(41%)より多い傾向がみられた.ACE-I/ARB併用群60例中49例(82%),非併用群131例中106例(81%)で予防効果がみられ差はなかった.次に,高血圧を除外した102例中,予防効果は併用群15例中13例(87%),非併用群87例中73例(84%)でみられ差はなかった. PAFに対するACE-IもしくはARBの併用効果は明らかではなかった.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo1969.37.9_798