症例 混合型総肺静脈還流異常を合併したFallot四徴症の1例
Fallot四徴症(TOF)に総肺静脈還流異常(TAPVD)合併例の報告は少なく,しかも混合型TAPVDの合併例は現在までに剖検例1例をみるのみである.われわれはTOF+混告型TAPVDの1例を経験したので,診断・手術適応について検討した. 症例は7歳女子.はっきりしたチアノーゼとclubbing fingerを認め,心電図で右室肥大,胸部X線写真で心拡大はなく肺野は明かるく,聴診にて右室流出路から駆出性雑音があったが squattingはなかった. 本症の合併は,右肺中葉の異常血管陰影および同部位に一致した弱い連続性雑音によりその存在を疑えた.カテ・アンジオにて診断を確かめ根治手術を施行した...
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Published in | 心臓 Vol. 7; no. 12; pp. 1442 - 1448 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益財団法人 日本心臓財団
1975
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Summary: | Fallot四徴症(TOF)に総肺静脈還流異常(TAPVD)合併例の報告は少なく,しかも混合型TAPVDの合併例は現在までに剖検例1例をみるのみである.われわれはTOF+混告型TAPVDの1例を経験したので,診断・手術適応について検討した. 症例は7歳女子.はっきりしたチアノーゼとclubbing fingerを認め,心電図で右室肥大,胸部X線写真で心拡大はなく肺野は明かるく,聴診にて右室流出路から駆出性雑音があったが squattingはなかった. 本症の合併は,右肺中葉の異常血管陰影および同部位に一致した弱い連続性雑音によりその存在を疑えた.カテ・アンジオにて診断を確かめ根治手術を施行したが,術後4日目死亡した. 剖検所見では,肺静脈は上大静脈と門脈に還流する混合型であった.TOFに合併したことに加え左肺動脈が低形成であっため細部にわたる診断は困難であった.しかしTOFにこのような合併奇型の存在することを念頭に入れ術前の診断を精細に行なえば,本症治療の可能性も充分あると思われる. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo1969.7.12_1442 |