症例 先天性心疾患に完全房室ブロック,大動脈弁逆流,大動脈-右室穿孔を伴った細菌性心内膜炎の1生存例

基礎疾患に先天性心疾患を有し,α溶血性連鎖球菌による心内膜炎経過中,完全房室ブロックを併発,また,心内膜炎が原因と思われる大動脈弁逆流,大動脈-右室穿孔を伴ったが,現在生存している例を報告する. 細菌性心内膜炎による大動脈-右室穿孔はきわめてまれで今まで3例が報告されているに過ぎない.完全房室ブロックを合併することもまれ(33例)で,これを伴った例は大動脈弁逆流を合併することが多く,心不全などで大部分死亡する.生存しえた例はすべて大動脈弁置換術などの外科的治療を行っている.本例のように内科的治療のみで生存している例は今まで報告がないようである. 本例は現在無症状であるが,将来心不全を起こす可能...

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Published in心臓 Vol. 13; no. 5; pp. 600 - 606
Main Authors 高橋, 孔一, 栗田, 明, 水野, 杏一, 青崎, 登, 細野, 清士, 近藤, 修二, 里村, 公生, 川越, 光博
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 1981
Subjects
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo1969.13.5_600

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Summary:基礎疾患に先天性心疾患を有し,α溶血性連鎖球菌による心内膜炎経過中,完全房室ブロックを併発,また,心内膜炎が原因と思われる大動脈弁逆流,大動脈-右室穿孔を伴ったが,現在生存している例を報告する. 細菌性心内膜炎による大動脈-右室穿孔はきわめてまれで今まで3例が報告されているに過ぎない.完全房室ブロックを合併することもまれ(33例)で,これを伴った例は大動脈弁逆流を合併することが多く,心不全などで大部分死亡する.生存しえた例はすべて大動脈弁置換術などの外科的治療を行っている.本例のように内科的治療のみで生存している例は今まで報告がないようである. 本例は現在無症状であるが,将来心不全を起こす可能
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo1969.13.5_600