研究会 第38回理論心電図研究会 ヒトの肺静脈電位と心房細動

心房細動(AF)の多くは,肺静脈内近位部に伸展した心房筋に起源を有する心房性期外収縮(APB)をトリガーとして生じる.そして,このAPB起源に対する局所焼灼によりAFの根治が可能である.しかし,肺静脈内マッピングの困難さ,複数起源の存在により局所焼灼の有効性は決して満足できるものではなかった.その後,肺静脈入口部の一部あるいは全周を高周波通電により焼灼し,肺静脈を左房から電気的に隔離する電気的肺静脈隔離術が考案され,現在,AFに対する最も有効なカテーテル治療法と考えられている.我々は,AF患者において,バスケット型多極カテーテルとコンピューター解析装置を用いた肺静脈内三次元マッピングと高周波カ...

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Published in心臓 Vol. 36; no. 5; pp. 375 - 382
Main Authors 山田, 功, 村上, 善正, 外山, 淳治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 2004
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Summary:心房細動(AF)の多くは,肺静脈内近位部に伸展した心房筋に起源を有する心房性期外収縮(APB)をトリガーとして生じる.そして,このAPB起源に対する局所焼灼によりAFの根治が可能である.しかし,肺静脈内マッピングの困難さ,複数起源の存在により局所焼灼の有効性は決して満足できるものではなかった.その後,肺静脈入口部の一部あるいは全周を高周波通電により焼灼し,肺静脈を左房から電気的に隔離する電気的肺静脈隔離術が考案され,現在,AFに対する最も有効なカテーテル治療法と考えられている.我々は,AF患者において,バスケット型多極カテーテルとコンピューター解析装置を用いた肺静脈内三次元マッピングと高周波カテーテル・アブレーション治療を施行した.これまでに我々のマッピング法によって得られた肺静脈電位と心房細動についての知見を報告する.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo1969.36.5_375