臨床 Ear-lobe Creaseの意義について

Ear-lobe crease(EC)に関してこれまでにいくつかの報告があるが,詳細なものは少なく,その有用性については議論のあるところである.著者らは,ECの臨床診断学的意義について検討を行った. 冠動脈造影で確かめられた冠動脈疾患(CAD)を有する患者82例とCADのない65例を対象に,ECとCAD,冠危険因子および眼底の動脈硬化性変化の関連性について調べた. ECはCAD,男性,喫煙歴と有意の関連があり,かつ加齢とともにECの陽性率が増加する傾向があった.ECとCADの関連をより明確にするため,EC陽性群とEC陰性群の間で性と年齢のm atchingを行い, 再び検討したところ,ECはC...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in心臓 Vol. 15; no. 5; pp. 557 - 562
Main Authors 澁谷, 利雄, 水野, 杏一, 菅原, 博子, 荒川, 宏, 里村, 公生, 五十嶋, 一成, 大鈴, 文孝, 青崎, 登, 栗田, 明, 細野, 清士, 山田, 堯
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 1983
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:Ear-lobe crease(EC)に関してこれまでにいくつかの報告があるが,詳細なものは少なく,その有用性については議論のあるところである.著者らは,ECの臨床診断学的意義について検討を行った. 冠動脈造影で確かめられた冠動脈疾患(CAD)を有する患者82例とCADのない65例を対象に,ECとCAD,冠危険因子および眼底の動脈硬化性変化の関連性について調べた. ECはCAD,男性,喫煙歴と有意の関連があり,かつ加齢とともにECの陽性率が増加する傾向があった.ECとCADの関連をより明確にするため,EC陽性群とEC陰性群の間で性と年齢のm atchingを行い, 再び検討したところ,ECはCADのみと有意の関連があった.よって,ECはCADの有無を予測するのに有用なsignであると思われた.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo1969.15.5_557