ブシラミン治療中に間質性陰影の急激な憎悪を認めた慢性関節リウマチの1症例

抗リウマチ剤として近年本邦で開発されたブシラミンによる薬剤誘起性間質性肺炎の報告が教室の根岸によってなされて以来, 全国で10数症例の報告が行われている.今回, 当施設での第2症例を経験した.症例は73歳男性で1982年よりRAの診断をうけ, 種々の治療に抵抗性のため精査加療目的で入院となった.ブシラミンによる治療を開始したところ, 関節症状の軽快と検査所見の著明な改善を認めたが, 服用約1カ月後に乾性咳嗽, 労作時呼吸困難をきたし, 胸部X-Pで間質性陰影の急激な悪化を認め, 本症の発症と診断した.本剤中止とステロイドホルモンのパルス療法, 酸素支持療法などを強力に行い軽快した....

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Published in昭和医学会雑誌 Vol. 52; no. 5; pp. 548 - 552
Main Authors 清水, まゆみ, 根岸, 雅夫, 内藤, 博邦, 榎本, 貴子, 西片, 光, 平松, 和子, 小林, 和夫, 井出, 宏嗣, 高橋, 昭三
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 昭和大学学士会 1992
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Summary:抗リウマチ剤として近年本邦で開発されたブシラミンによる薬剤誘起性間質性肺炎の報告が教室の根岸によってなされて以来, 全国で10数症例の報告が行われている.今回, 当施設での第2症例を経験した.症例は73歳男性で1982年よりRAの診断をうけ, 種々の治療に抵抗性のため精査加療目的で入院となった.ブシラミンによる治療を開始したところ, 関節症状の軽快と検査所見の著明な改善を認めたが, 服用約1カ月後に乾性咳嗽, 労作時呼吸困難をきたし, 胸部X-Pで間質性陰影の急激な悪化を認め, 本症の発症と診断した.本剤中止とステロイドホルモンのパルス療法, 酸素支持療法などを強力に行い軽快した.
ISSN:0037-4342
2185-0976
DOI:10.14930/jsma1939.52.548