臨床 急性心筋梗塞におけるThallium-201とTechnetium-99m PYPのDual Imagingの有用性について

急性心筋梗塞46例につき,発症後時24時間から1週間以内にTl-201とTc-99m PYPのdual imagingを行いその有用性を認めた.前壁梗塞22例中Tl-201の欠損部に一致してTc-99m PYPのuptakeの認められなかったのは1例のみで,この1例は難治性心室細動にて死亡した.これはおそらく梗塞部の血流が著明に低下していたためで,これが予後不良と関連している可能性がある.下壁梗塞13例中右室梗塞の合併が4例で診断できた.右室梗塞の診断のためにはdual imagingが特に有用で,患者の前胸部にマークをつけておくことと左前斜位60°も必ずとることが重要と思われた.心電図にて部...

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Published in心臓 Vol. 13; no. 8; pp. 937 - 943
Main Authors 安野, 雅夫, 川村, 修, 小林, 泰彦, 赤羽, 伸夫, 渡, 辺健, 小野寺, 知哉, 松村, 忠範
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 1981
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Summary:急性心筋梗塞46例につき,発症後時24時間から1週間以内にTl-201とTc-99m PYPのdual imagingを行いその有用性を認めた.前壁梗塞22例中Tl-201の欠損部に一致してTc-99m PYPのuptakeの認められなかったのは1例のみで,この1例は難治性心室細動にて死亡した.これはおそらく梗塞部の血流が著明に低下していたためで,これが予後不良と関連している可能性がある.下壁梗塞13例中右室梗塞の合併が4例で診断できた.右室梗塞の診断のためにはdual imagingが特に有用で,患者の前胸部にマークをつけておくことと左前斜位60°も必ずとることが重要と思われた.心電図にて部位診断不能の11例全例においてdual imagingにて急性心筋梗塞の部位診断が可能でありその有用性が認められた.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo1969.13.8_937