3.抑うつスクリーニングとAdvance Care Planningの適用可能性

地域在住高齢者の健康を抑うつスクリーニングとAdvance Care Planning(事前ケア計画)の2つの視点からとらえた. Geriatric Depression Scale(GDS-15)は高齢者抑うつ評価に広く用いられているが,抑うつの有無1項目だけでもスクリーニングには有効である.国内外の地域在住者において,抑うつ傾向のあるものは日常生活動作,老研式活動能力指標,および主観的QOLがそれぞれ有意に低いことがあきらかとなった.Advance Care Planning(ACP)とは意志決定能力のある患者の人生観や死生観,好み,考え方などを医療チームと家族が理解・確認し共有していくプ...

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Published in日本老年医学会雑誌 Vol. 50; no. 3; pp. 319 - 322
Main Author 和田, 泰三
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本老年医学会 2013
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ISSN0300-9173
DOI10.3143/geriatrics.50.319

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Summary:地域在住高齢者の健康を抑うつスクリーニングとAdvance Care Planning(事前ケア計画)の2つの視点からとらえた. Geriatric Depression Scale(GDS-15)は高齢者抑うつ評価に広く用いられているが,抑うつの有無1項目だけでもスクリーニングには有効である.国内外の地域在住者において,抑うつ傾向のあるものは日常生活動作,老研式活動能力指標,および主観的QOLがそれぞれ有意に低いことがあきらかとなった.Advance Care Planning(ACP)とは意志決定能力のある患者の人生観や死生観,好み,考え方などを医療チームと家族が理解・確認し共有していくプロセスのことをいう.その対話の結果,リビング・ウィルや医療代理人の指定といったことにつながることもあるが,その目的は将来必ず訪れる終末期をその人らしく,よりよいものにするための準備作業である.日本文化にあった事前ケア計画の実践では,家族間での対話がもっとも重視されるべきであろう.
ISSN:0300-9173
DOI:10.3143/geriatrics.50.319