カビ毒汚染されたナツメグに対する Bright Greenish-Yellow Fluorescens(BGYF)選別の有効性

香辛料は,マイコトキシンの汚染が多いことが報告されている.Codex(2018)の報告によるとナツメグには特にアフラトキシン(AF)とオクラトキシンA(OTA)の汚染が多い.現在インドネシアでは,主として目視選別がおこなわれ,インドネシア規格によりABCD(whole 良品で虫食い,空洞率の低いもの),SS(しわが多いもの),BWP(割れ,虫食いが激しいもの)の3グレードに分類されており,日本に輸入されているグレードはABCD である.また,ABCD およびSS の劣化品とBWP を混合した製品としてCompany Brand がある.本研究では,穀物のAF 汚染選抜に利用されているBGYF...

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Published in食品衛生学雑誌 Vol. 64; no. 5; pp. 179 - 184
Main Authors 小林, 直樹, 岡野, 清志, 小西, 良子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本食品衛生学会 25.10.2023
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Summary:香辛料は,マイコトキシンの汚染が多いことが報告されている.Codex(2018)の報告によるとナツメグには特にアフラトキシン(AF)とオクラトキシンA(OTA)の汚染が多い.現在インドネシアでは,主として目視選別がおこなわれ,インドネシア規格によりABCD(whole 良品で虫食い,空洞率の低いもの),SS(しわが多いもの),BWP(割れ,虫食いが激しいもの)の3グレードに分類されており,日本に輸入されているグレードはABCD である.また,ABCD およびSS の劣化品とBWP を混合した製品としてCompany Brand がある.本研究では,穀物のAF 汚染選抜に利用されているBGYF 選別方法のマイコトキシン除去効果をナツメグで実証するため,4ロットのCompanyBrand をBGYF 選別により,陽性グループと陰性グループに分け,AF,OTA 濃度および真菌フローラを調べた.その結果,BGYF 陽性グループではいずれのマイコトキシンも濃度が高く,真菌フローラも陰性グループと違いがあった.本研究はBGYFによるナツメグのマイコトキシン汚染選別が,AFだけでなくOTAにも有効であることを実証したものである.
ISSN:0015-6426
1882-1006
DOI:10.3358/shokueishi.64.179