多発性硬化症(MS)を合併した頚髄症に手術療法を施行した1例

MSを合併した頸髄症に対し短期であるが良好な成績を得たので報告する.【症例】62歳 女性,2012年3月ごろ右膝の抜ける感じが出現.5月半ばから手指に痺れが出現し7月後半から手指の痛みが激痛に変化した.8月に両下肢の筋力低下,10月に入ると車椅子で生活するようになり当科を紹介受診した.初診時のMRIにてC5/6中心に脊髄浮腫をみとめ頭尾側に広がっていた.脊髄の炎症性疾患を疑い神経内科紹介しMSと診断されステロイドパルス療法施行され症状は一旦改善した.しかし,自宅での転倒を繰り返すたびに症状悪化し脊髄浮腫による相対的な圧迫が残存していたため椎弓形成術を施行した.術後一過性に神経症状と脊髄浮腫の悪...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 64; no. 1; pp. 25 - 28
Main Authors 濱中, 秀昭, 猪俣, 尚規, 比嘉, 聖, 永井, 琢哉, 山口, 洋一朗, 今里, 浩之, 帖佐, 悦男
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2015
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Summary:MSを合併した頸髄症に対し短期であるが良好な成績を得たので報告する.【症例】62歳 女性,2012年3月ごろ右膝の抜ける感じが出現.5月半ばから手指に痺れが出現し7月後半から手指の痛みが激痛に変化した.8月に両下肢の筋力低下,10月に入ると車椅子で生活するようになり当科を紹介受診した.初診時のMRIにてC5/6中心に脊髄浮腫をみとめ頭尾側に広がっていた.脊髄の炎症性疾患を疑い神経内科紹介しMSと診断されステロイドパルス療法施行され症状は一旦改善した.しかし,自宅での転倒を繰り返すたびに症状悪化し脊髄浮腫による相対的な圧迫が残存していたため椎弓形成術を施行した.術後一過性に神経症状と脊髄浮腫の悪化を認めたがステロイドパルス療法にて神経症状は改善し術後1年の短期ではあるが神経症状の改善は保たれている.脊髄の圧迫を伴うMSの症例に対して手術療法を考慮してもいいと思われた.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.64.25