研究 狭心症における12誘導長時間記録心電図と従来のホルター心電図のST変化の比較
狭心発作におけるST変化を12誘導長時間記録心電図(DATAMEDIX)と従来のホルター心電図(Avionics)について比較検討した.対象は入院中の狭心症患者40例で,異型狭心症(A群)21例,その他(B群)19例であった.DATAMEDIXとAvionicsは同時に装着して記録した.AvionicsではCM5とNASA誘導を用いた.A群ではDATAMEDIXで10例計44回のST変化(いずれも上昇)をとらえたのに対し,Avionicsでは8例計21回のST上昇をとらえたにとどまった.B群ではDATAMEDIXでとらえた6例計13回のST変化(いずれも低下)のうちAvionicsで陽性であっ...
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Published in | 心臓 Vol. 21; no. 4; pp. 395 - 403 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益財団法人 日本心臓財団
1989
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Subjects | |
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ISSN | 0586-4488 2186-3016 |
DOI | 10.11281/shinzo1969.21.4_395 |
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Summary: | 狭心発作におけるST変化を12誘導長時間記録心電図(DATAMEDIX)と従来のホルター心電図(Avionics)について比較検討した.対象は入院中の狭心症患者40例で,異型狭心症(A群)21例,その他(B群)19例であった.DATAMEDIXとAvionicsは同時に装着して記録した.AvionicsではCM5とNASA誘導を用いた.A群ではDATAMEDIXで10例計44回のST変化(いずれも上昇)をとらえたのに対し,Avionicsでは8例計21回のST上昇をとらえたにとどまった.B群ではDATAMEDIXでとらえた6例計13回のST変化(いずれも低下)のうちAvionicsで陽性であったのは3例計4回にすぎなかった.両群とも無症候性のST変化が多数を占めた.12誘導中狭い範囲でしかST変化が生じないと,Avionicsでは陽性にならない例があった.狭心発作時のST変化をとらえるには,DATAMEDIXの方がAvionicsに比べ感受性が高く,心筋虚血範囲の評価の上でもより有効であると考えられた. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo1969.21.4_395 |