症例 6年間心電図変化を追跡しえたうっ血型心筋症の1剖検例
症例は45歳の女性.昭和47年ごろ,坂道歩行時の息切れ,易疲労感などの主訴で発症し,昭和55年10月,当科に転科し,心電図・心エコー図所見および進行性心不全の臨床経過から“うっ血型心筋症”を示唆され, 血管拡張療法,Depamine療法など施行したが死亡した.剖検では,広範な心筋組織の線維化,線維化巣内への脂肪組織の浸潤,残存心筋の肥大,心筋線維間の走行の乱れ,核の大型化,不整形化,胞体の虫食い状の小空胞変性などがみられ特発性心筋症の混合型と診断された.retrospectiveに追跡した心電図では,6年前にaVLのQS pattern,II・III・aVF・V5,6の非特異的ST・T変化など...
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Published in | 心臓 Vol. 14; no. 6; pp. 827 - 833 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益財団法人 日本心臓財団
1982
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Summary: | 症例は45歳の女性.昭和47年ごろ,坂道歩行時の息切れ,易疲労感などの主訴で発症し,昭和55年10月,当科に転科し,心電図・心エコー図所見および進行性心不全の臨床経過から“うっ血型心筋症”を示唆され, 血管拡張療法,Depamine療法など施行したが死亡した.剖検では,広範な心筋組織の線維化,線維化巣内への脂肪組織の浸潤,残存心筋の肥大,心筋線維間の走行の乱れ,核の大型化,不整形化,胞体の虫食い状の小空胞変性などがみられ特発性心筋症の混合型と診断された.retrospectiveに追跡した心電図では,6年前にaVLのQS pattern,II・III・aVF・V5,6の非特異的ST・T変化などがみられ, 遂年, QS patternはV5,6に及び, 著しい右軸偏位,低電位化,異常P,不整脈など多彩な心電図学的異常所見が進行し,心電図学的に,病変の拡がりが示唆された. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo1969.14.6_827 |