症例 先天性僧帽弁狭窄症,三尖弁狭窄症および重複三尖弁口を伴ったPierre-Robinsyndromeの1例

先天性僧帽弁狭窄症および三尖弁狭窄症は共にまれな疾患であり,その予後も不良である. 本症例は心雑音,喘鳴を主訴とする2カ月男児で生後間もなくより呼吸障害が認められていた.1歳と3歳時の心臓カテーテル検査および心エコー検査により,先天性僧帽弁狭窄症,三尖弁狭窄症および左右肺動脈低形成を伴うPierre-Robin syndromeと診断した.運動制限が増強したため4歳5カ月時に,僧帽弁交連切開術および弁形成術,三尖弁交連切開術を行った.また手術時に重複三尖弁口を認めた. 先天性僧帽弁狭窄症,三尖弁狭窄症および重複三尖弁口の合併はきわめてまれであり,出生時より4歳6カ月までの経過を観察できたので,...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in心臓 Vol. 17; no. 9; pp. 982 - 988
Main Authors 江川, 善康, 松岡, 優, 倉橋, 佳英, 開発, 展之, 加藤, 逸夫, 中津, 忠則, 藤島, 則明, 三木, 陽子, 宮内, 吉男, 宮尾, 益英, 井上, 洋行
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 1985
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo1969.17.9_982

Cover

More Information
Summary:先天性僧帽弁狭窄症および三尖弁狭窄症は共にまれな疾患であり,その予後も不良である. 本症例は心雑音,喘鳴を主訴とする2カ月男児で生後間もなくより呼吸障害が認められていた.1歳と3歳時の心臓カテーテル検査および心エコー検査により,先天性僧帽弁狭窄症,三尖弁狭窄症および左右肺動脈低形成を伴うPierre-Robin syndromeと診断した.運動制限が増強したため4歳5カ月時に,僧帽弁交連切開術および弁形成術,三尖弁交連切開術を行った.また手術時に重複三尖弁口を認めた. 先天性僧帽弁狭窄症,三尖弁狭窄症および重複三尖弁口の合併はきわめてまれであり,出生時より4歳6カ月までの経過を観察できたので,心エコー図,心機図,心臓カテーテル検査および手術所見を中心に報告する.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo1969.17.9_982