臨床 先天性心疾患に合併する肺動脈性高血圧に対する経口プロスタサイクリン誘導体(beraprost sodium)の慢性効果
先天性心疾患に合併する高血圧性肺動脈に対する経ロプロスタサイクリン誘導体(beraprost sodium;BPS)の慢性効果を明らかにするために,根治術後の遺残肺高血圧症4例(心内膜床欠損術後2例, 心室中隔欠損術後1例,ファロー四徴術後1例),アイゼンメンジャー症候群2例(心房中隔欠損合併1 例,動脈管開存合併1例),チアノーゼ性心疾患4例(単心室1例,純型肺動脈閉鎖1例,エプスタイン奇形1例,ファロー四徴兼肺動脈閉鎖1例)の計10例に対て,BPS1.2-2.1μg/kg/day(平均1.6±0.4 μg/kg/day)を10カ月~3年7カ月(平均2年2カ月±1年2カ月)投与し,臨床症状や...
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Published in | 心臓 Vol. 34; no. 6; pp. 462 - 467 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益財団法人 日本心臓財団
2002
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Subjects | |
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Summary: | 先天性心疾患に合併する高血圧性肺動脈に対する経ロプロスタサイクリン誘導体(beraprost sodium;BPS)の慢性効果を明らかにするために,根治術後の遺残肺高血圧症4例(心内膜床欠損術後2例, 心室中隔欠損術後1例,ファロー四徴術後1例),アイゼンメンジャー症候群2例(心房中隔欠損合併1 例,動脈管開存合併1例),チアノーゼ性心疾患4例(単心室1例,純型肺動脈閉鎖1例,エプスタイン奇形1例,ファロー四徴兼肺動脈閉鎖1例)の計10例に対て,BPS1.2-2.1μg/kg/day(平均1.6±0.4 μg/kg/day)を10カ月~3年7カ月(平均2年2カ月±1年2カ月)投与し,臨床症状や肺高血圧の程度,経皮的酸素飽和度などの変化について検討した.肺高血圧遺残例では4例中3例で肺高血圧の改善を認めたが,アイゼンメンジャー症候群の2例では効果を認めなかった.チアノーゼ性心疾患4例の経皮的酸素飽和度は明らかな変化を示さなかったが,total cavepulmonary shunt術後の単心室の1 例ではB P S 投与後6 カ月で肺血流量が増大し, 平均肺動脈圧の減少を認めたことから,肝静脈-肺動脈吻合術が可能となった. 以上の結果より,BPSは肺血管病変がそれほど進行していない術後の遺残肺高血圧症には有効であることが示唆された.また,低酸素による肺血管病変に対してもその有効性が期待できる可能性がある. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo1969.34.6_462 |