老人ホーム在住者における血圧日内変動の検討 降圧薬非服用例における検討

老人ホームに入居している老年者214例に携帯型自動血圧計を用いて24時間血圧を測定した. 降圧薬を服用していない124例の対象を年齢により75歳未満のA群41例 (70.6歳) と75歳以上のB群83例 (82.7歳) に分けて, 年齢と検診時血圧, 24時間血圧, 昼間血圧, 夜間血圧および昼夜較差との関係について検討した. 検診時収縮期血圧に関してB群は, A群に比較して有意に高値であったが (p<0.05), 拡張期血圧および脈拍は両群間で差がなかった. 24時間血圧も収縮期血圧はB群ではA群に比して有意に高値であった (p<0.02) が, 拡張期血圧は両群で有意差がなかっ...

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Published in日本老年医学会雑誌 Vol. 29; no. 10; pp. 774 - 777
Main Authors 桑島, 巌, 鈴木, 康子, 金丸, 晶子, 松下, 哲, 蔵本, 築, 柴田, 博
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本老年医学会 01.10.1992
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Summary:老人ホームに入居している老年者214例に携帯型自動血圧計を用いて24時間血圧を測定した. 降圧薬を服用していない124例の対象を年齢により75歳未満のA群41例 (70.6歳) と75歳以上のB群83例 (82.7歳) に分けて, 年齢と検診時血圧, 24時間血圧, 昼間血圧, 夜間血圧および昼夜較差との関係について検討した. 検診時収縮期血圧に関してB群は, A群に比較して有意に高値であったが (p<0.05), 拡張期血圧および脈拍は両群間で差がなかった. 24時間血圧も収縮期血圧はB群ではA群に比して有意に高値であった (p<0.02) が, 拡張期血圧は両群で有意差がなかった. 昼間血圧は収縮期, 拡張期血圧, 脈拍いずれも両群間で差がなかったが, 夜間血圧は収縮期血圧がB群でA群に比して有意に高値であった (p<0.02). 昼-夜収縮期較差はB群でA群に比し小さい傾向が認められた (p<0.1). 夜間血圧が昼間血圧よりも高値を示すいわゆる non-Dipper はA群の24.2%, B群の30.1%に認められた.
ISSN:0300-9173
DOI:10.3143/geriatrics.29.774