平成29年度論文賞対象論文#の概要とその研究背景

「はじめに」プロシミドン(Sumilex(R))は, 果実の腐敗などの植物病害を防除するために使用される保護作用および治癒作用を有する殺菌剤である. プロシミドンの安全性を評価するために多くの安全性試験が実施されており, 催奇形性試験において種差が認められている. プロシミドンの抗アンドロゲン作用に基づくと考えられる雌性化がラットにおいて37.5mg/kg以上の投与で認められた. 一方, ウサギ, サルにおいては125mg/kgの投与でも次世代に影響は認められなかった. プロシミドンは, 以前から抗アンドロゲン作用を有する化合物として知られていたが, その活性は代表的な抗アンドロゲン剤であるヒ...

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Published in日本農薬学会誌 Vol. 42; no. 2; pp. 322 - 325
Main Authors 金子, 秀雄, 永堀, 博久, 茂木, 正行, 樽井, 弘和, 奥野, 泰由, 杉本, 健二, 西岡, 和彦, 磯部, 直彦, 冨ケ原, 祥隆, 川村, 聡
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本農薬学会 20.08.2017
Subjects
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ISSN2187-0365
2187-8692
DOI10.1584/jpestics.W17-63

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Summary:「はじめに」プロシミドン(Sumilex(R))は, 果実の腐敗などの植物病害を防除するために使用される保護作用および治癒作用を有する殺菌剤である. プロシミドンの安全性を評価するために多くの安全性試験が実施されており, 催奇形性試験において種差が認められている. プロシミドンの抗アンドロゲン作用に基づくと考えられる雌性化がラットにおいて37.5mg/kg以上の投与で認められた. 一方, ウサギ, サルにおいては125mg/kgの投与でも次世代に影響は認められなかった. プロシミドンは, 以前から抗アンドロゲン作用を有する化合物として知られていたが, その活性は代表的な抗アンドロゲン剤であるヒドロキシフルタミドよりはるかに低い(20~70倍低い)こと, また, その代謝物の中では水酸化体(Hydoxylated-PCM)のみが弱い抗アンドロゲン活性(プロシミドンの約1/2の活性)を有すること, さらに抗アンドロゲン活性に顕著な種差がないことが明らかとなっている(in vitro).
ISSN:2187-0365
2187-8692
DOI:10.1584/jpestics.W17-63