血漿フィブリノゲン値と誘電血液凝固分析の複合評価に基づく群分けと術後出血層別化解析:単施設後ろ向き観察調査

血漿フィブリノゲン(Fib)値および誘電血液凝固分析に基づく包括的全血凝固検査の複合評価による群分けが,術後の胸腔ドレーン出血量と関連するとした仮説を検証するため後ろ向き調査を行った。【方法】2020 年 2 月から 2021 年 4 月までに当院で行われた心臓手術の人工心肺離脱時に SPOTCHEM HS-7710 で EX-DCS(外因系凝固評価の誘電性血餅強度)の測定を行い,同時に血漿 Fib 値を測定した患者を対象とした。Fib 値が 150 mg/dL 未満(低フィブリノゲン血症)および EX-DCS 値が 16 未満(低血餅強度)であるかどうかに基づき 4 つのグループに分類し,術...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inCardiovascular Anesthesia Vol. 29; no. 1; pp. 71 - 79
Main Authors 川島 信吾, 佐藤 恒久, 中島 芳樹, 鈴木 祐二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本心臓血管麻酔学会 01.09.2025
日本心臓血管麻酔学会
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1342-9132
1884-7439
DOI10.11478/jscva.2024-2-013

Cover

Loading…
More Information
Summary:血漿フィブリノゲン(Fib)値および誘電血液凝固分析に基づく包括的全血凝固検査の複合評価による群分けが,術後の胸腔ドレーン出血量と関連するとした仮説を検証するため後ろ向き調査を行った。【方法】2020 年 2 月から 2021 年 4 月までに当院で行われた心臓手術の人工心肺離脱時に SPOTCHEM HS-7710 で EX-DCS(外因系凝固評価の誘電性血餅強度)の測定を行い,同時に血漿 Fib 値を測定した患者を対象とした。Fib 値が 150 mg/dL 未満(低フィブリノゲン血症)および EX-DCS 値が 16 未満(低血餅強度)であるかどうかに基づき 4 つのグループに分類し,術後 24 時間の胸腔ドレーン出血量との関係を調査した。【結果】IV 群(正常 Fib 値および低血餅強度)における術後 24 時間の胸腔ドレーン出血量は I 群(正常 Fib 値および正常血餅強度)と比較して有意に多かった。【結論】人工心肺離脱後プロタミン投与後の血漿 Fib 値と EX-DCS 値の複合評価により,IV 群(正常 Fib 値および低血餅強度)は I 群(正常 Fib 値および正常血餅強度)よりも有意に術後 24 時間の胸腔ドレーン出血量が多いことが確認された。
ISSN:1342-9132
1884-7439
DOI:10.11478/jscva.2024-2-013