施設内老年者の総合的機能評価 社会生活を中心に
名古屋市厚生院〔老人病院 (以下病院と略す), 特別養護老人ホーム (以下特養と略す)〕および関連の老人施設〔養護老人ホーム (以下養護と略す), 軽費老人ホーム (以下軽費と略す)〕の老年者160例 (男45例, 女115例, 平均81.8歳) について老年者の総合的機能評価を施行し, 社会生活の評価を中心に検討し, 以下の結果を得た. 1) 社会生活に影響を与えていたのは, 改訂長谷川式簡易知能評価スケール (以下HDSRと略す), 日常生活動作能力 (以下ADLと略す), 身体情報機能であった. 2) 施設別に検討すると, 経済状態は養護, 家族状況は軽費, 家族関係は病院, 集団行動は...
Saved in:
Published in | 日本老年医学会雑誌 Vol. 30; no. 11; pp. 947 - 952 |
---|---|
Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本老年医学会
01.11.1993
|
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0300-9173 |
DOI | 10.3143/geriatrics.30.947 |
Cover
Summary: | 名古屋市厚生院〔老人病院 (以下病院と略す), 特別養護老人ホーム (以下特養と略す)〕および関連の老人施設〔養護老人ホーム (以下養護と略す), 軽費老人ホーム (以下軽費と略す)〕の老年者160例 (男45例, 女115例, 平均81.8歳) について老年者の総合的機能評価を施行し, 社会生活の評価を中心に検討し, 以下の結果を得た. 1) 社会生活に影響を与えていたのは, 改訂長谷川式簡易知能評価スケール (以下HDSRと略す), 日常生活動作能力 (以下ADLと略す), 身体情報機能であった. 2) 施設別に検討すると, 経済状態は養護, 家族状況は軽費, 家族関係は病院, 集団行動は病院に有意差がみられたが, 婚姻状況は有意差がみられなかった. 社会生活の総得点は病院が有意に低値であった. 以上より, 本評価法は老人施設の老年者の社会生活を評価するのに有用性があるように考えられたが, 今後さらに本評価法について信頼性, 妥当性, 予測性について検討する必要がある. |
---|---|
ISSN: | 0300-9173 |
DOI: | 10.3143/geriatrics.30.947 |