CPITNを用いた台湾小学生の歯周組織評価

1987年に, 台湾中部の小学校生徒 (7~12歳) 519名の歯周組織の健康調査を行なった。診断基準には20歳未満に適用するCPITN変法を用い, 3名の検査者が歯周状態を評価した。歯周疾患の徴候がみられない者は7歳児の37%に認められ, その割合は増齢的に低率化し, 11~12歳で6%となった。歯石を有する児童の割合は7歳の7%から, 11歳の80%まで上昇した。健康な歯周組織の状態, 歯肉出血, また, 歯石沈着を呈す部位数の年齢的変動は有病者率の変動と同様の傾向であった。これらの結果は, 中国人児童は日本人児童より高い有病率と重症傾向を示しており, 以前報告した, 日本人に対する中国人...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in口腔衛生学会雑誌 Vol. 38; no. 5; pp. 701 - 703
Main Authors 宮崎, 秀夫, 山下, 喜久, 白浜, 立ニ, 十亀, 輝, 伊波, 富夫, 宗, 洋一郎, 郭, 明毅, 竹原, 直道
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 一般社団法人 口腔衛生学会 1988
Subjects
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:1987年に, 台湾中部の小学校生徒 (7~12歳) 519名の歯周組織の健康調査を行なった。診断基準には20歳未満に適用するCPITN変法を用い, 3名の検査者が歯周状態を評価した。歯周疾患の徴候がみられない者は7歳児の37%に認められ, その割合は増齢的に低率化し, 11~12歳で6%となった。歯石を有する児童の割合は7歳の7%から, 11歳の80%まで上昇した。健康な歯周組織の状態, 歯肉出血, また, 歯石沈着を呈す部位数の年齢的変動は有病者率の変動と同様の傾向であった。これらの結果は, 中国人児童は日本人児童より高い有病率と重症傾向を示しており, 以前報告した, 日本人に対する中国人 (台湾) 青年の高い歯周疾患有病性と同結果であった. つまり, 成人にみられた歯周疾患有病状態の差が, すでに永久歯萌出時期に認められており, この時期からの予防が重要であることを示唆している。
ISSN:0023-2831
2189-7379
DOI:10.5834/jdh.38.701