自然気胸に対する針状胸腔鏡下レーザー焼灼術における肺尖部カバーリングの工夫(ポート内シート装填法)

PGAシートによる胸膜カバーリングを針状胸腔鏡下レーザー焼灼術(needle VATS)に応用した.2006年4月から2008年3月までの期間に,needle VATSを施行したブラ径が2cm以下の21例の気胸患者について検討を行った.男性18例,女性3例で,平均23.3歳であった.細径ポートを3ヵ所に留置し,Nd-YAGレーザー非接触型を用いて10Wでブラを焼灼後,PGAシートで焼灼部を含めた肺尖部を被覆した.PGAシートはシートを体外でポートに装填してからポートを胸壁に留置し,鉗子にて胸腔内に引き入れる「ポート内シート装填法」にて誘導した.術後平均ドレナージ期間は1.3日で,術後在院日数は...

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Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 24; no. 1; pp. 105 - 109
Main Authors 福原, 謙二郎, 冨田, 栄美子, 林, 明男, 明石, 章則, 中根, 茂
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会 2010
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ISSN0919-0945
1881-4158
DOI10.2995/jacsurg.24.105

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Summary:PGAシートによる胸膜カバーリングを針状胸腔鏡下レーザー焼灼術(needle VATS)に応用した.2006年4月から2008年3月までの期間に,needle VATSを施行したブラ径が2cm以下の21例の気胸患者について検討を行った.男性18例,女性3例で,平均23.3歳であった.細径ポートを3ヵ所に留置し,Nd-YAGレーザー非接触型を用いて10Wでブラを焼灼後,PGAシートで焼灼部を含めた肺尖部を被覆した.PGAシートはシートを体外でポートに装填してからポートを胸壁に留置し,鉗子にて胸腔内に引き入れる「ポート内シート装填法」にて誘導した.術後平均ドレナージ期間は1.3日で,術後在院日数は平均2.8日であった.平均観察期間は403日であるが再発例は認めていない.Needle VATSはPGAシートによる被覆を併用することによって再発の低下が期待できるが,さらなる症例数の蓄積と長期の観察が必要である.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.24.105