都市部男性消防職員のバーンアウト(燃えつき)に影響を及ぼす仕事ストレッサーについて

都市部男性消防職員のバーンアウトに影響を及ぼす仕事ストレッサーを検討する目的で,A市消防局男性消防職員953人を解析対象とした多重ロジスティック回帰分析を行った。  男性消防職員のバーンアウトリスク群は対象集団の18.8%を示し,その中でも日勤職員での割合は28.4%と最も高かった。バーンアウトのリスクとなる仕事ストレッサーは,職場の対人関係上のストレスの高さ(OR=2.67),仕事のコントロールの低さ(OR=2.31),適性の低さ(OR=2.15),技能の活用の低さ(OR=1.73),心理的な仕事の負担(質)の高さ(OR=1.71), 心理的な仕事の負担(量)の高さ(OR=1.64)であった...

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Published in杏林医学会雑誌 Vol. 50; no. 4; pp. 145 - 155
Main Authors 照屋, 浩司, 神山, 麻由子, 和田, 貴子, 岡本, 博照
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 杏林医学会 27.12.2019
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ISSN0368-5829
1349-886X
DOI10.11434/kyorinmed.50.145

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Summary:都市部男性消防職員のバーンアウトに影響を及ぼす仕事ストレッサーを検討する目的で,A市消防局男性消防職員953人を解析対象とした多重ロジスティック回帰分析を行った。  男性消防職員のバーンアウトリスク群は対象集団の18.8%を示し,その中でも日勤職員での割合は28.4%と最も高かった。バーンアウトのリスクとなる仕事ストレッサーは,職場の対人関係上のストレスの高さ(OR=2.67),仕事のコントロールの低さ(OR=2.31),適性の低さ(OR=2.15),技能の活用の低さ(OR=1.73),心理的な仕事の負担(質)の高さ(OR=1.71), 心理的な仕事の負担(量)の高さ(OR=1.64)であった(いずれもp<0.05もしくはp<0.01)。社会的支援では同僚のサポートの低さ(OR=1.74, p<0.05),それ以外では7時間未満の短時間睡眠がバーンアウトのリスク要因であった(OR=1.53, p<0.05)。男性消防職員のバーンアウトのリスクになると考えられる仕事ストレッサーを把握し,その対策を講じることは消防職員のメンタルヘルス向上につながることが期待できる。
ISSN:0368-5829
1349-886X
DOI:10.11434/kyorinmed.50.145