臨床 完全大血管転換症Mustard手術の遠隔期成績

完全大血管転換症Mustard手術成功例21例の2年以上の遠隔期成績を追跡調査した.52%(11例)は遠隔期にも無症状で健康小児と同じ日常生活をおくり,身長・体重も手術前の発育不良状態より脱して正常化していた.残り10例のうち5例は遠隔期合併症で死亡し,5例は遠隔期合併症のため制限された生活をしている.各合併症の症例数は,完全または高度ブロック2(うち死亡1),肺高血圧と心不全2(死亡1),肺静脈閉塞1(死亡),上大静脈閉塞1(死亡),三尖弁閉鎖不全1(死亡),残遺短絡と肺動脈絞扼術後肺動脈狭窄残存1,脳神経障害1である.各種の上室性不整脈が高率に認められた....

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Published in心臓 Vol. 12; no. 1; pp. 50 - 59
Main Authors 門間, 和夫, 高尾, 篤良, 長谷, 直樹, 今井, 康晴, 和田, 寿郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 1980
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Summary:完全大血管転換症Mustard手術成功例21例の2年以上の遠隔期成績を追跡調査した.52%(11例)は遠隔期にも無症状で健康小児と同じ日常生活をおくり,身長・体重も手術前の発育不良状態より脱して正常化していた.残り10例のうち5例は遠隔期合併症で死亡し,5例は遠隔期合併症のため制限された生活をしている.各合併症の症例数は,完全または高度ブロック2(うち死亡1),肺高血圧と心不全2(死亡1),肺静脈閉塞1(死亡),上大静脈閉塞1(死亡),三尖弁閉鎖不全1(死亡),残遺短絡と肺動脈絞扼術後肺動脈狭窄残存1,脳神経障害1である.各種の上室性不整脈が高率に認められた.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo1969.12.1_50