尿酸降下薬服用中の随時尿中尿酸/クレアチニン比(UUA/UCr)測定の意義

3種の尿酸降下薬で治療中の痛風・高尿酸血症患者を対象(ドチヌラド投与108例,ベンズブロマロン投与62例,フェブキソスタット投与56例)に,血清尿酸値が6mg/dL以下を達成できている時点で,随時尿中尿酸/クレアチニン比(UUA/UCr)と尿酸排泄分画(FEUA)を求めて,投与薬物間での違いを比較した.ドチヌラド投与群では1日平均投与量1.1±0.7mgで血清尿酸値5.3±0.6mg/dL,UUA/UCr 0.504±0.210,FEUA8.5±4.1%,ベンズブロマロン投与群は1日平均投与量48.5±22.3mgで血清尿酸値5.0±0.6mg/dL,UUA/UCr 0.541±0.210,F...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in痛風と尿酸・核酸 Vol. 46; no. 1; pp. 37 - 44
Main Authors 藤森, 新, 大山, 博司, 諸見里, 仁, 大山, 恵子, 田淵, 大貴
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本痛風・尿酸核酸学会 25.07.2022
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN2435-0095
DOI10.14867/gnamtsunyo.46.1_37

Cover

More Information
Summary:3種の尿酸降下薬で治療中の痛風・高尿酸血症患者を対象(ドチヌラド投与108例,ベンズブロマロン投与62例,フェブキソスタット投与56例)に,血清尿酸値が6mg/dL以下を達成できている時点で,随時尿中尿酸/クレアチニン比(UUA/UCr)と尿酸排泄分画(FEUA)を求めて,投与薬物間での違いを比較した.ドチヌラド投与群では1日平均投与量1.1±0.7mgで血清尿酸値5.3±0.6mg/dL,UUA/UCr 0.504±0.210,FEUA8.5±4.1%,ベンズブロマロン投与群は1日平均投与量48.5±22.3mgで血清尿酸値5.0±0.6mg/dL,UUA/UCr 0.541±0.210,FEUA9.8±3.7%,フェブキソスタット投与群は1日投与量31.1±13.6mgで血清尿酸値5.1±0.7mg/dL,UUA/Ccr0.215±0.079,FEUA4.0±1.1%で,UUA/CcrとFEUAはフェブキソスタット投与群で2種の尿酸排泄促進薬に比較して有意に低値であった.ドチヌラド投与群では薬物投与量とUUA/Ccrに弱い正の相関がみられたが,ベンズブロマロン投与群では薬物投与量とUUA/Ccrに相関関係はみられず,むしろ投与量が少量の方がUUA/Ccrは多い傾向であった.外来通院中で尿酸排泄促進薬を服用している患者のUUA/UCrが一定でないのはプリン体摂取量の多寡に起因しているのではないかと推察される.随時尿で求めたUUA/UCrをgクレアチニン(gCr)で補正して表現するとドチヌラドやベンズブロマロンなどの尿酸排泄促進薬では尿路結石のリスクと推定される24時間尿中尿酸排泄量が800mg/日を超える患者が少なからず存在する.今後,尿酸降下薬で治療中の患者における尿酸排泄量とプリン体摂取量の関係を検証する必要があるが,尿酸排泄促進薬によって血清尿酸値が目標値に維持されている場合も,尿中尿酸排泄量を考慮してプリン体摂取制限を含めての食事療法を継続する必要があると考えられた.
ISSN:2435-0095
DOI:10.14867/gnamtsunyo.46.1_37