潤滑油用酸化防止剤の示差熱分析
ヒンダードフェノール•タイプの酸化防止剤が2,6-ジ-tert-ブチルフェノール, iso-ノニルフェノール, およびパラホルムアルデヒドの縮合反応生成物として合成された (Fig. 1)。この酸化防止剤のスクワランおよびジ-2-エチルヘキシルセバケートに対する酸化防止性が示差熱分析によって検討された。昇温法 (昇温速度, 50℃/min, 空気中) による試験では, 1wt%添加により, Fig. 2に示すようにスクワランおよびジ-2-エチルヘキシルセバケートの酸化はかなり抑制された。また市販のZn-ジアルキルジチオホスフェートおよび2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノールとの比較...
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Published in | 石油学会誌 Vol. 25; no. 6; pp. 398 - 400 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | English Japanese |
Published |
公益社団法人 石油学会
1982
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ISSN | 0582-4664 |
DOI | 10.1627/jpi1958.25.398 |
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Summary: | ヒンダードフェノール•タイプの酸化防止剤が2,6-ジ-tert-ブチルフェノール, iso-ノニルフェノール, およびパラホルムアルデヒドの縮合反応生成物として合成された (Fig. 1)。この酸化防止剤のスクワランおよびジ-2-エチルヘキシルセバケートに対する酸化防止性が示差熱分析によって検討された。昇温法 (昇温速度, 50℃/min, 空気中) による試験では, 1wt%添加により, Fig. 2に示すようにスクワランおよびジ-2-エチルヘキシルセバケートの酸化はかなり抑制された。また市販のZn-ジアルキルジチオホスフェートおよび2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノールとの比較でも, 合成された2,6-ビス (3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-ベンジル)-4-ノニルフェノールの添加効果は同等以上で, 酸化による発熱ピーク出現温度は幾分高めに現れた (Table 1)。 等温法 (155°C, 185°C) による分析では, 酸化発熱ピークが現れるまでの時間 (誘導期間) が検討され, 合成酸化防止剤が市販のものよりも優れた効果を示し, 特に合成油であるジ-2-エチルヘキシルセバケートに対して顕著な酸化防止性を示した (Table 2)。さらに試験後の試料の外観の比較 (Table 3) からも合成物は効果的な酸化防止剤として期待される。 |
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ISSN: | 0582-4664 |
DOI: | 10.1627/jpi1958.25.398 |