前縦隔悪性末梢神経鞘腫瘍(malignant peripheral nerve sheath tumor:MPNST)の1例
症例は62歳,女性.検診で胸部異常陰影を指摘された.CT・MRIにて前縦隔に最大径70mmの腫瘤を認め,胸壁・肺への浸潤が疑われた.また左下葉S6に15mmの結節影を認めた.前縦隔腫瘤のCTガイド下肺生検にてMesenchymal tumor,unclassifiedと診断され,手術を施行した.腫瘍は胸壁・左肺舌区に浸潤していたが,心膜とは剥離可能で,左横隔神経も温存し,腫瘍切除,胸壁合併切除(第3—6肋骨合併切除),胸腺部分切除,左舌区・S6部分切除を行った.病理組織では,紡錘形細胞が粗ないし密に増殖し,核分裂像を認め変性壊死を伴っていた.免疫染色ではvimentin・HBME-1陽性,S-...
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Published in | 日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 25; no. 2; pp. 170 - 174 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会
2011
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Subjects | |
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ISSN | 0919-0945 1881-4158 |
DOI | 10.2995/jacsurg.25.170 |
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Summary: | 症例は62歳,女性.検診で胸部異常陰影を指摘された.CT・MRIにて前縦隔に最大径70mmの腫瘤を認め,胸壁・肺への浸潤が疑われた.また左下葉S6に15mmの結節影を認めた.前縦隔腫瘤のCTガイド下肺生検にてMesenchymal tumor,unclassifiedと診断され,手術を施行した.腫瘍は胸壁・左肺舌区に浸潤していたが,心膜とは剥離可能で,左横隔神経も温存し,腫瘍切除,胸壁合併切除(第3—6肋骨合併切除),胸腺部分切除,左舌区・S6部分切除を行った.病理組織では,紡錘形細胞が粗ないし密に増殖し,核分裂像を認め変性壊死を伴っていた.免疫染色ではvimentin・HBME-1陽性,S-100・AE1/AE3・EMA・calretinin・TLE1陰性.病理診断は悪性末梢神経鞘腫瘍(malignant peripheral nerve sheath tumor(以下MPNST))であった.術後18ヵ月再発は見られない. |
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ISSN: | 0919-0945 1881-4158 |
DOI: | 10.2995/jacsurg.25.170 |