HEART's Original [症例] 急性心不全における心筋傷害拡張型心筋症2症例の検討より

症例1は52歳の男性.発作性上室性頻拍による動悸を主訴に来院.ベラパミル5mgを投与したところ,心原性ショックとなったためカテコラミンで血圧を維持しながら薬剤にて頻拍停止を行った.精査の結果,拡張型心筋症と診断したが,入院中脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)は1,154pg/mLまで上昇し,心筋傷害マーカーである心筋トロポニンI(cTn I)は0.75ng/mLまで上昇した. 症例2は70歳の男性.拡張型心筋症にて1997年から3年にわたり,計6回急性心不全のため入院加療を行っていた.2005年からも3回急性心不全のため入院加療を行ったが,最近2回の急性心不全時のBNPとcTnIの経時的変化...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in心臓 Vol. 40; no. 1; pp. 67 - 72
Main Authors 桑原, 康秀, 佐藤, 幸人, 西城, さやか, 西, 清人, 山根, 啓一郎, 磯田, 圭, 福原, 怜, 谷ロ, 良司, 宮本, 忠司, 藤原, 久義, 鷹津, 良樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 2008
Subjects
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:症例1は52歳の男性.発作性上室性頻拍による動悸を主訴に来院.ベラパミル5mgを投与したところ,心原性ショックとなったためカテコラミンで血圧を維持しながら薬剤にて頻拍停止を行った.精査の結果,拡張型心筋症と診断したが,入院中脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)は1,154pg/mLまで上昇し,心筋傷害マーカーである心筋トロポニンI(cTn I)は0.75ng/mLまで上昇した. 症例2は70歳の男性.拡張型心筋症にて1997年から3年にわたり,計6回急性心不全のため入院加療を行っていた.2005年からも3回急性心不全のため入院加療を行ったが,最近2回の急性心不全時のBNPとcTnIの経時的変化を評価したところ,外来ではそれぞれ474pg/mLと0.03ng/mLであったが,非代償期には1,903pg/mLとO.1O3ng/mLまで上昇していた. 非虚血性急性心不全における心筋傷害を検討した2例を報告する.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo1969.40.1_67