CPITNを用いた中学生の歯周組織評価

松山市の中学校生徒783名 (男383名, 女400名) を対象として, CPITNによる歯周組織評価を行なった。この調査に用いたCPITNの診査法は, 先に報告した小学生に対して用いた方法に, Code3, Code4を追加したものである。すなわち, CPITN原法の診査規準と異なる部分は, fals epocketを要治療として検出する危険性を排除するために代表歯から第2大臼歯を除外したこと, professional careが必要であるという観点から歯石沈着に加えて不良充填物もCode2に分類したことである。調査結果は, 歯周組織に病的徴候を認めなかった者の比率は14-18%, 歯肉出...

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Published in口腔衛生学会雑誌 Vol. 37; no. 3; pp. 220 - 224
Main Authors 宮崎, 秀夫, 安東, 美幸, 山下, 喜久, 斎藤, 敏昭, 十亀, 輝, 五島, 恵子, 竹原, 直道
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 一般社団法人 口腔衛生学会 1987
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Summary:松山市の中学校生徒783名 (男383名, 女400名) を対象として, CPITNによる歯周組織評価を行なった。この調査に用いたCPITNの診査法は, 先に報告した小学生に対して用いた方法に, Code3, Code4を追加したものである。すなわち, CPITN原法の診査規準と異なる部分は, fals epocketを要治療として検出する危険性を排除するために代表歯から第2大臼歯を除外したこと, professional careが必要であるという観点から歯石沈着に加えて不良充填物もCode2に分類したことである。調査結果は, 歯周組織に病的徴候を認めなかった者の比率は14-18%, 歯肉出血のみは17-26%, 歯石沈着 (不良充填物) は約60%, 浅いポケットは4%であった。この年代では急激な変化を認めないが, 先に報告した小学生より, さらに高い有病率を示した。成人に対する歯周疾患予防のための歯科保健指導が必要であることは論をまたないが, それは第2次予防としての性格が強い。従って, 第1次予防を鑑み, 小学生から中学生を通じ一貫した歯周疾患予防計画とその実行の必要性が痛感され, その一手段として, 学校歯科健康診断にCPITNの導入が望まれる。
ISSN:0023-2831
2189-7379
DOI:10.5834/jdh.37.220