研究会 第11回 心臓核医学研究会 Tl-201心筋シンチグラフィにおけるEnergy Weighted Acquisitionの有用性

• Published in: 心臓 Vol. 23; no. 1; pp. 91 - 100
• Main Authors: 板金, 広, 秋岡, 要, 山岸, 広幸, 田原, 旭, 戸田, 為久, 寺柿, 政和, 安田, 光隆, 竹内, 一秀, 武田, 忠直, 岸本, 健治, 大村, 昌弘, 下西, 祥裕, 池田, 穂積, 越智, 宏暢, 貴志, 治夫, 芝原, 徳幸
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 公益財団法人 日本心臓財団 1991
• ISSN: 0586-4488; 2186-3016
• DOI: 10.11281/shinzo1969.23.1_91

Energy Weighted Acquisition(EWA)は検出器が受ける全てのエネルギーに対して重みづけを行い,感度の増加および散乱線の低減を可能にした新しい核医学画像収集法である. このEWAの有用性をT1-201心筋シンチグラフィでNormal Window Acquisition(NWA)と対比検討した.基礎的検討ではNWAに比しEWAで,Planar像,SPECT像とも各々30～40%,60%の感度の増加,画像コントラストの改善がみられ定量性も改善した.臨床的検討でも特に心臓下壁は腹部臓器の散乱線の影響を受けやすく,Planar像のROIによる% TI uptakeの評価では,NWAでEWAに比して5%以上過大評価することが多かった(p<O.O1).またSPECT像においてもEWAでは病変部が鮮明に描出され,定量評価でもNWAではEWAに比べて欠損の過小評価がみられた.EWAにより画質の改善がみられるだけでなく,より正確な定量評価が可能であると考えられた.