弾性包帯の圧迫圧に関する実験的研究:パームQTM 測定器を用いた訓練による看護スタッフの経験曲線の検証

看護スタッフ15 名を対象として弾性包帯の圧迫圧を測定し,適正圧を目安に繰り返し訓練した経験曲線を検証したので報告する.同一被検者の足にケープ社携帯型接触圧力測定器(パームQTM)をあて,初回は普段通りの感覚で巻き,その結果を踏まえて30 mmHg を目標として巻き直し5 回まで繰り返した.また,半年後に再測定を試みた.その結果,初回の平均値41.8±20.2 mmHg に比べ,2 回目からは26.7±9.0 mmHg,30.1±6.8 mmHg,31.4±6.8 mmHg,28.4±8.2 mmHg と目標値30 mmHg に近づいた.さらに,半年後の「抜き打ちテスト」でも,平均29.9±1...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in静脈学 Vol. 27; no. 3; pp. 299 - 302
Main Authors 杉山, 悟, 川崎, 潤子, 松原, 進
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本静脈学会 2016
Subjects
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:看護スタッフ15 名を対象として弾性包帯の圧迫圧を測定し,適正圧を目安に繰り返し訓練した経験曲線を検証したので報告する.同一被検者の足にケープ社携帯型接触圧力測定器(パームQTM)をあて,初回は普段通りの感覚で巻き,その結果を踏まえて30 mmHg を目標として巻き直し5 回まで繰り返した.また,半年後に再測定を試みた.その結果,初回の平均値41.8±20.2 mmHg に比べ,2 回目からは26.7±9.0 mmHg,30.1±6.8 mmHg,31.4±6.8 mmHg,28.4±8.2 mmHg と目標値30 mmHg に近づいた.さらに,半年後の「抜き打ちテスト」でも,平均29.9±10.2 mmHg と良好な成績であった.一度,圧迫圧測定を経験すると,半年後でも圧の感覚をある程度覚えていることが示唆された.パームQTM は褥瘡用として使用されており本来の用途とは異なっているが,比較的安定した測定値が得られる.手に入りやすい身近な測定器で適正圧を目安に看護師が訓練をすることは,スタッフの育成指導および患者指導にも役立てることが期待できる.
ISSN:0915-7395
2186-5523
DOI:10.7134/phlebol.16-05