症例 Parachute mitral valvecomplex の1乳児例

• Published in: 心臓 Vol. 11; no. 1; pp. 59 - 67
• Main Authors: 西畠, 信, 佐藤, 秀郎, 全, 勇, 尾形, 実, 青木, 浩之, 松岡, 瑠美子, 宝田, 正志, 高, 錫健, 大川, 恭矩, 赤坂, 忠義, 高口, 直明, 伊藤, 健二
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 公益財団法人 日本心臓財団 1979
• Subjects: 先天性僧帽弁狭窄症
• ISSN: 0586-4488; 2186-3016
• DOI: 10.11281/shinzo1969.11.1_59

先天性僧帽弁狭窄症はまれな疾患であるが中でも,parachute mitral valve,supravalvular ring of the left atrium,subaortic stenosis,coarctation of the aortaを有する症例は,Shone症候群,またはparachute mitral valve complexとして,45例が報告されているのみである.本症候群は他の心奇形を伴うことも多く,これらの奇形のすべてを正確に診断することはきわめて困難であり,手術予後も一般に不良である. われわれは最近,生後2カ月で心不全症状を呈して来院し,術前に心エコー図検査,心カテ心血管造影などを施行して,本症候群を含む先天性僧帽弁狭窄症を疑い,1歳1カ月時に手術を行った症例を経験した.患児は,術後死亡し,剖検では,supravalvular ring of the left atrium,sulbaortic stenosis,coarctation of the aorta,PDA,PLSVC,bicuspid aortic valveが認められ,僧帽弁もparachgte mitral valveの亜型と考えられて,本症候群と確定した.