皮膚病変を認めず,速やかに改善したVibrio vulnificus敗血症の一例

症例は67歳男性。前日の生魚の経口摂取後に悪寒戦慄を伴う高熱を呈し当科受診,血液培養よりVibrio vulnificus敗血症と診断した。入院後抗菌薬治療を開始し,壊死性筋膜炎やショックに陥ることなく数日で速やかに改善した。患者は感染リスクとなる肝硬変や免疫抑制を来す疾患を有していなかった。本菌による感染症は一般に重篤で予後不良な疾患と認識されているが,本例のような軽症例も存在することが確認された。今後軽症例を集積することで,Vibrio vulnificus感染症の全体像が明らかになることが期待される。なお,本症例は富山県における最初の報告である。...

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Published inToyama Medical Journal Vol. 27; no. 1; pp. 34 - 37
Main Authors 山城, 清二, 三浦, 太郎, 渡辺, 史子, 黒岩, 麻衣子, 北, 啓一朗, 吉田, 樹一郎, 小浦, 友行
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 富山大学医学会 2017
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ISSN2189-2466
2758-6014
DOI10.57561/tmjutmed.27.1_34

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Summary:症例は67歳男性。前日の生魚の経口摂取後に悪寒戦慄を伴う高熱を呈し当科受診,血液培養よりVibrio vulnificus敗血症と診断した。入院後抗菌薬治療を開始し,壊死性筋膜炎やショックに陥ることなく数日で速やかに改善した。患者は感染リスクとなる肝硬変や免疫抑制を来す疾患を有していなかった。本菌による感染症は一般に重篤で予後不良な疾患と認識されているが,本例のような軽症例も存在することが確認された。今後軽症例を集積することで,Vibrio vulnificus感染症の全体像が明らかになることが期待される。なお,本症例は富山県における最初の報告である。
ISSN:2189-2466
2758-6014
DOI:10.57561/tmjutmed.27.1_34