肺結核再治療例の検討

[目的] 肺結核の再治療にいたる要因を明らかにすること。 [対象] 2000年1月1日から2002年12月31日までに, 当院を退院した肺結核患者において再治療が行われた47例。 [方法] 再治療例について, 初回治療時病状, 治療内容, 再治療にいたった要因について後ろ向きに検討した。 [結果] 47例中33例が当院にて初回治療を行っており, 33例中24例が再発, 9例が治療中断後再治療であった。再発例24例では再治療要因として, 標準治療にて初期2カ月で菌陰性化にいたらなかった症例が11例 (45.8%) と最も多く, 大量飲酒者, 過労・ストルス, 糖尿病は各5例 (20.8%) に認...

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Published in結核 Vol. 78; no. 12; pp. 723 - 732
Main Authors 八木, 毅典, 石丸, 剛, 佐々木, 結花, 山岸, 文雄, 藤川, 文子, 板倉, 明司, 久我, 明司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本結核病学会 15.12.2003
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ISSN0022-9776
1884-2410
DOI10.11400/kekkaku1923.78.723

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Summary:[目的] 肺結核の再治療にいたる要因を明らかにすること。 [対象] 2000年1月1日から2002年12月31日までに, 当院を退院した肺結核患者において再治療が行われた47例。 [方法] 再治療例について, 初回治療時病状, 治療内容, 再治療にいたった要因について後ろ向きに検討した。 [結果] 47例中33例が当院にて初回治療を行っており, 33例中24例が再発, 9例が治療中断後再治療であった。再発例24例では再治療要因として, 標準治療にて初期2カ月で菌陰性化にいたらなかった症例が11例 (45.8%) と最も多く, 大量飲酒者, 過労・ストルス, 糖尿病は各5例 (20.8%) に認められた。治療中断例は外来治療移行後自己中断していた。 [考察] 再発の要因として初回治療時の菌陰性化の遅れが最大の要因であり, 治療期間の延長を考慮する必要があると考えた。治療中断の対策として, 外来治療後の強力な服薬支援が必要と考えた。 [結論] 再治療要因として再発例では初回治療時の菌陰性化の遅れが最大の要因であった。中断対策として社会背景に関係なく服薬支援が必要であった。
ISSN:0022-9776
1884-2410
DOI:10.11400/kekkaku1923.78.723