中学校における小規模結核感染事例の検討 予防可能例と考えられた患者からの感染
区立中学2年生の女子生徒が, 父親 (病型bH2, ガフキー6号) からの感染により, 病型bH2, ガフキー10号の肺結核を発症した。父親の登録2カ月後に実施したツベルクリン反応検査 (以下, ツ反) の結果は, 化学予防の適用基準外で予防内服はしていなかった。1年後に予定していた胸部XP検査は未実施のまま, 検診予定の2カ月後に有症状受診により医療機関で発見された。この女子生徒の発病に伴い, 通っていた学校の生徒や教職員を対象に接触者検診を実施した。その結果, 学校での集団感染はなかったが, 個別の接触状況と過去の学校検診のツ反結果を検討したところ, 生徒4名が化学予防の適用となった。BC...
Saved in:
Published in | 結核 Vol. 78; no. 10; pp. 619 - 627 |
---|---|
Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本結核病学会
15.10.2003
|
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0022-9776 1884-2410 |
DOI | 10.11400/kekkaku1923.78.619 |
Cover
Loading…
Summary: | 区立中学2年生の女子生徒が, 父親 (病型bH2, ガフキー6号) からの感染により, 病型bH2, ガフキー10号の肺結核を発症した。父親の登録2カ月後に実施したツベルクリン反応検査 (以下, ツ反) の結果は, 化学予防の適用基準外で予防内服はしていなかった。1年後に予定していた胸部XP検査は未実施のまま, 検診予定の2カ月後に有症状受診により医療機関で発見された。この女子生徒の発病に伴い, 通っていた学校の生徒や教職員を対象に接触者検診を実施した。その結果, 学校での集団感染はなかったが, 個別の接触状況と過去の学校検診のツ反結果を検討したところ, 生徒4名が化学予防の適用となった。BCG既接種者のツ反による結核感染診断の困難さと, 家族検診の徹底の重要性を痛感した。また, 接触者検診に際しては, 詳細な接触状況と過去のツ反結果の把握が有用であった。 |
---|---|
ISSN: | 0022-9776 1884-2410 |
DOI: | 10.11400/kekkaku1923.78.619 |