大腿骨近位部骨折の急性期病院周術期合併症と回復期リハビリの退院転帰 認知機能低下と低体重の検討

• Published in: 整形外科と災害外科 Vol. 74; no. 1; pp. 181 - 188
• Main Authors: 西村, 博行, 浦上, 泰成
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 西日本整形・災害外科学会 25.03.2025
• Subjects: 低体重; 周術期合併症; 回復期リハビリテーション; 大腿骨近位部骨折; 認知機能低下
• ISSN: 0037-1033; 1349-4333
• DOI: 10.5035/nishiseisai.74.181

大腿骨近位部骨折に対する急性期病院での手術に際し周術期合併症が生じた患者の回復期リハ退院時の日常生活動作能力（運動FIM）および自宅退院率について検討した．周術期合併症は，入院経過に影響した疾患で，紹介状本文の記載にもとづき決定した．急性期病院入院日数を30日以下と31日以上に分けて，周術期合併症の有無とともに，検討すると，入院日数30日以下では，周術期合併症有の回復期リハ退院時の運動FIM点数および自宅退院率は，周術期合併症無に比べ，有意な低下はなかった．ところが，入院日数31日以上では，周術期合併症有の運動FIM点数および自宅退院率は，周術期合併症無に比べ，有意な低下があった．回復期リハ退院時に運動FIM点数および自宅退院率が低下した急性期病院入院日数31日以上で周術期合併症有の患者群は，他の患者群に比べ，日常生活動作低下リスク因子である認知機能低下および低体重の患者が多かった．