総胆管結石症における外科治療上の問題点 とくに手術時期と手術術式について
過去15年間に手術を行った総胆管結石症は641例で, 男女比1: 1.25, 平均年齢59.8歳, 急性化膿性胆管炎は87例にみられた.術前胆道減圧術は14例に行い, その他は一期的に手術を行ったが, 術後合併症は19.1%, 入院死亡は18例 (2.8%) にみられた.総胆管十二指腸吻合術127例, 乳頭形成術273例を行ったが, 術後合併症, 入院死亡率, 術後愁訴に両手術間で有意差はなかったが, 一部の症例に発熱, 疼痛などの術後愁訴があった.肝の組織学的検索を行った112例では92%に急性胆管炎の所見があり, 総胆管結石は急性胆管炎準備状態と考えられ, 早期に手術を行うことが望ましい....
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Published in | 日本消化器外科学会雑誌 Vol. 19; no. 11; pp. 2233 - 2240 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本消化器外科学会
1986
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Summary: | 過去15年間に手術を行った総胆管結石症は641例で, 男女比1: 1.25, 平均年齢59.8歳, 急性化膿性胆管炎は87例にみられた.術前胆道減圧術は14例に行い, その他は一期的に手術を行ったが, 術後合併症は19.1%, 入院死亡は18例 (2.8%) にみられた.総胆管十二指腸吻合術127例, 乳頭形成術273例を行ったが, 術後合併症, 入院死亡率, 術後愁訴に両手術間で有意差はなかったが, 一部の症例に発熱, 疼痛などの術後愁訴があった.肝の組織学的検索を行った112例では92%に急性胆管炎の所見があり, 総胆管結石は急性胆管炎準備状態と考えられ, 早期に手術を行うことが望ましい.また術後愁訴の点からは, 胆道付加手術はできるだけ慎しむべきであろう. |
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ISSN: | 0386-9768 1348-9372 |
DOI: | 10.5833/jjgs.19.2233 |