AFMによるマウス咬筋の腱のコラーゲン細線維の立体観察

マウス咬筋の腱のコラーゲン細線維の原子間力顕微鏡 (AFM) 像と, 透過型電子顕微鏡 (TEM) 像を比較検討した. TEM像とAFM像のコラーゲン細線維の周期構造はほぼ同様であった. AFM像では, 周期構造を立体的に観察することが可能となった. また, AFMによりヒアルロニダーゼ処理した細線維の表面構造を未処理のものと比較したところ細線維の表面のプロテオグリカンの局在が明らかとなった. AFMは, コラーゲンやプロテオグリカンなどの細胞外マトリックス成分の, より正確な立体配置の観察に有用である. また観察のための試料作成が比較的容易であるので, 将来的に顎関節領域の結合組織異常の診断...

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Published in歯科基礎医学会雑誌 Vol. 40; no. 1; pp. 17 - 21
Main Authors 小林, 身哉, 上田, 実, 渡辺, 道子, 水谷, 英樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 歯科基礎医学会 20.02.1998
Japanese Association for Oral Biology
Subjects
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ISSN0385-0137
DOI10.2330/joralbiosci1965.40.17

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Summary:マウス咬筋の腱のコラーゲン細線維の原子間力顕微鏡 (AFM) 像と, 透過型電子顕微鏡 (TEM) 像を比較検討した. TEM像とAFM像のコラーゲン細線維の周期構造はほぼ同様であった. AFM像では, 周期構造を立体的に観察することが可能となった. また, AFMによりヒアルロニダーゼ処理した細線維の表面構造を未処理のものと比較したところ細線維の表面のプロテオグリカンの局在が明らかとなった. AFMは, コラーゲンやプロテオグリカンなどの細胞外マトリックス成分の, より正確な立体配置の観察に有用である. また観察のための試料作成が比較的容易であるので, 将来的に顎関節領域の結合組織異常の診断にも応用できるものと思われる.
ISSN:0385-0137
DOI:10.2330/joralbiosci1965.40.17