制御性T細胞による膵島移植免疫応答制御の可能性
同種膵島移植はインスリン依存状態糖尿病に対する低侵襲な組織移植治療であるが,免疫応答の制御には多剤の免疫抑制剤が必要である.免疫抑制剤は易感染性に加えβ細胞への毒性や血管新生阻害を有するため,免疫抑制剤を用いない免疫制御が理想である.免疫抑制剤を用いない免疫制御を達成する方策として,制御性T細胞(Treg)の臨床応用が注目されてきた.近年,Treg機能発現およびTregの維持安定に必須な要素であるTreg特異的脱メチル化状態の形成と,末梢誘導性Treg(iTreg)を顕著に誘導できる培養技術が確立してきた.これらの技術を導入し,iTregによる同種膵島移植の免疫制御法の開発が進められている....
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Published in | Organ Biology Vol. 30; no. 2; pp. 095 - 099 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本臓器保存生物医学会
2020
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1340-5152 2188-0204 |
DOI | 10.11378/organbio.30.095 |
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Summary: | 同種膵島移植はインスリン依存状態糖尿病に対する低侵襲な組織移植治療であるが,免疫応答の制御には多剤の免疫抑制剤が必要である.免疫抑制剤は易感染性に加えβ細胞への毒性や血管新生阻害を有するため,免疫抑制剤を用いない免疫制御が理想である.免疫抑制剤を用いない免疫制御を達成する方策として,制御性T細胞(Treg)の臨床応用が注目されてきた.近年,Treg機能発現およびTregの維持安定に必須な要素であるTreg特異的脱メチル化状態の形成と,末梢誘導性Treg(iTreg)を顕著に誘導できる培養技術が確立してきた.これらの技術を導入し,iTregによる同種膵島移植の免疫制御法の開発が進められている. |
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ISSN: | 1340-5152 2188-0204 |
DOI: | 10.11378/organbio.30.095 |