乳牛の血中, 尿中アセトンおよびこれらの相関について

反すう獣に発生するいわゆる “ケトーシスク” の問題は 反すう獣生理を解明する1つの基礎として非常に重要視され, 各方面で広く研究されている. われわれは精密な拡散分析により, 野外に飼育されている乳牛のアセトン量の正常値を決定するために, 最近, 長野, 新潟両県ならびに福島種畜牧場の乳牛3274頭を対象として, 血中, 尿中アセトン量を測定し, 両者の関係さらに血糖, アルカリ予備, 尿アンモニアなどとの関係を考察した. その結果, 血中, 尿中アセトンの正常値は0.5mg/dl, 1mg/dl以下と推定きれ, また, 一般にアセトン量の高いものは低血糖であるといえる. アルカリ予備ならび...

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Published in日本獣医師会雑誌 Vol. 8; no. 8; pp. 377 - 379
Main Authors 牛見, 忠蔵, 臼井, 和哉, 小池, 和明, 野口, 一郎, 吉田, 信行
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本獣医師会 1955
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Summary:反すう獣に発生するいわゆる “ケトーシスク” の問題は 反すう獣生理を解明する1つの基礎として非常に重要視され, 各方面で広く研究されている. われわれは精密な拡散分析により, 野外に飼育されている乳牛のアセトン量の正常値を決定するために, 最近, 長野, 新潟両県ならびに福島種畜牧場の乳牛3274頭を対象として, 血中, 尿中アセトン量を測定し, 両者の関係さらに血糖, アルカリ予備, 尿アンモニアなどとの関係を考察した. その結果, 血中, 尿中アセトンの正常値は0.5mg/dl, 1mg/dl以下と推定きれ, また, 一般にアセトン量の高いものは低血糖であるといえる. アルカリ予備ならびにアンモニアと尿アセトンとのあいだには相関関係が見られず, 尿アンモニア酸性尿のものに多量排泄されていた.
ISSN:0446-6454
2186-0211
DOI:10.12935/jvma1951.8.377