新規高分子キレート配位CuCl2錯体触媒によるジメチルカーボネート合成反応

新規Cu固定化触媒として, キレート性配位部位に2,2'-ビピリジンを用いた, ポリ (4-メチル-4'-ビニル-2,2'-ビピリジン) (Pvbpy)-CuCl2を調製し, メタノールの酸化的液相カルボニル化法によるジメチルカーボネート (DMC) 合成反応を検討した。Pvbpy-CuCl2触媒は溶媒であるメタノールに不溶であり, 不均一反応系となった。また, メタノール転化率1.79%でDMC収率が44.4%, DMC選択率が92.6%と従来型の固定化触媒, ポリビニルピリジン (PVP)-CuCl2触媒に匹敵する触媒活性を示した。Pvbpy-CuCl2触媒は...

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Published in石油学会誌 Vol. 43; no. 1; pp. 75 - 79
Main Authors 佐藤, 靖, 籠谷, 昌宏, 相馬, 芳枝
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 公益社団法人 石油学会 01.01.2000
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Summary:新規Cu固定化触媒として, キレート性配位部位に2,2'-ビピリジンを用いた, ポリ (4-メチル-4'-ビニル-2,2'-ビピリジン) (Pvbpy)-CuCl2を調製し, メタノールの酸化的液相カルボニル化法によるジメチルカーボネート (DMC) 合成反応を検討した。Pvbpy-CuCl2触媒は溶媒であるメタノールに不溶であり, 不均一反応系となった。また, メタノール転化率1.79%でDMC収率が44.4%, DMC選択率が92.6%と従来型の固定化触媒, ポリビニルピリジン (PVP)-CuCl2触媒に匹敵する触媒活性を示した。Pvbpy-CuCl2触媒はろ過により回収でき, 計3回のリサイクル使用によっても触媒活性の低下は全く見られなかった。Cl-由来のステンレス鋼に対する腐食性は Pvbpy への固定化により大幅に低減し, 触媒1回目使用時よりも再使用時の方が優れた耐食性を示した。Pvbpy からのCl-の脱離度は, 触媒1回目使用時の方が再使用時よりも高いことより, Pvbpy から脱離したCl-が主な腐食源であることが明白である。XPS測定により, Pvbpy-CuCl2触媒中の二価のCuは反応が進行するにつれ, 徐々に一価に還元されていくことが明らかとなった。
ISSN:0582-4664
DOI:10.1627/jpi1958.43.75