症例 乳児大動脈縮窄症,大動脈遮断症における大動脈再建の経験

乳児大動脈縮窄複合,あるいは大動脈弓遮断症は多く複雑な心奇型を合併し,生後早期に重篤な臨床症状を呈するものが多く,その多くは緊急手術の対象となる. この様な症例における大動脈再建の際に,従来の大動脈同志の端々吻合による再建法はその手術侵襲が大きすぎて不満足な結果に終ったことに鑑み,大動脈弓あるいは下行大動脈より分枝する動脈を利用して吻合し,これを大動脈間のBridgeとして用いる手術を経験してみたが,今後も試みて良い方法であると考える. しかし新生児期における大動脈弓の再建と心内奇型の一期的根治手術の成功例の報告にふれる時,大動脈同志の端々吻合が最善の方法であることに余論はなく,その意味ではそ...

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Published in心臓 Vol. 7; no. 3; pp. 375 - 381
Main Authors 赤坂, 忠義, 伊藤, 健二, 高口, 直明, 大川, 恭矩, 高, 錫健, 井村, 哲也, 青木, 浩之, 佐藤, 秀郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 1975
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Summary:乳児大動脈縮窄複合,あるいは大動脈弓遮断症は多く複雑な心奇型を合併し,生後早期に重篤な臨床症状を呈するものが多く,その多くは緊急手術の対象となる. この様な症例における大動脈再建の際に,従来の大動脈同志の端々吻合による再建法はその手術侵襲が大きすぎて不満足な結果に終ったことに鑑み,大動脈弓あるいは下行大動脈より分枝する動脈を利用して吻合し,これを大動脈間のBridgeとして用いる手術を経験してみたが,今後も試みて良い方法であると考える. しかし新生児期における大動脈弓の再建と心内奇型の一期的根治手術の成功例の報告にふれる時,大動脈同志の端々吻合が最善の方法であることに余論はなく,その意味ではそこに到達する,ひとつのstepにある過程と考えている.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo1969.7.3_375