ミズヒキ,ヌスビトハギ,クサネムおよび イヌビユに発生した白絹病(新称)

2009年~2012年に長崎県大村市の山野に生えているミズヒキ(2009年6月29日確認),ヌスビトハギ(2011年6月23日確認),クサネム(2011年7月6日確認)およびイヌビユ(2012年6月20日確認)の4種の植物が褐変軟腐症状となっているのを確認した。7日後の調査で,それらの植物体は萎凋枯死し,その上にナタネ種子大の褐色球形菌核を認めた。それらの褐変した部位からは白絹病菌様の糸状菌が分離され,分離菌は馬鈴薯煎汁寒天培地上での生育適温,菌叢色や菌核の形状,主軸菌糸幅,かすがい連結の有無などがツワブキから分離された白絹病菌と一致した。これらの分離菌は,すべて各宿主植物に対して,病徴を再現...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in九州病害虫研究会報 Vol. 61; pp. 38 - 42
Main Author 森田, 昭
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 九州病害虫研究会 2015
Online AccessGet full text
ISSN0385-6410
1884-0035
DOI10.4241/kyubyochu.61.38

Cover

Loading…
More Information
Summary:2009年~2012年に長崎県大村市の山野に生えているミズヒキ(2009年6月29日確認),ヌスビトハギ(2011年6月23日確認),クサネム(2011年7月6日確認)およびイヌビユ(2012年6月20日確認)の4種の植物が褐変軟腐症状となっているのを確認した。7日後の調査で,それらの植物体は萎凋枯死し,その上にナタネ種子大の褐色球形菌核を認めた。それらの褐変した部位からは白絹病菌様の糸状菌が分離され,分離菌は馬鈴薯煎汁寒天培地上での生育適温,菌叢色や菌核の形状,主軸菌糸幅,かすがい連結の有無などがツワブキから分離された白絹病菌と一致した。これらの分離菌は,すべて各宿主植物に対して,病徴を再現し,再分離も可能であった。以上の結果から,軟腐症状を呈した4種の宿主植物から分離された糸状菌は白絹病菌(Sclerotium rolfsii Saccardo)と同定し,ミズヒキ,ヌスビトハギ,クサネムおよびイヌビユの白絹病(Southern blight)と呼称し,白絹病菌の宿主の追加を提唱する。
ISSN:0385-6410
1884-0035
DOI:10.4241/kyubyochu.61.38