都内大気PM2.5中硫酸アンモニウム及び硫酸水素アンモニウムの実態調査結果
2022年8月から2023年8月までの1年間、都内1か所における大気PM2.5中硫酸アンモニウム及び硫酸水素アンモニウム濃度の実態調査を実施した。1週間採取を52週間、連続して実施した結果、硫酸アンモニウムの検出率は100%、年平均濃度及び最大濃度は1.2 µg/m3及び3.8 µg/m3であった。年間の濃度推移は、3月から8月の春季及び夏季に濃度が高く、9月から2月の秋季及び冬季に低くなる傾向が見られた。硫酸水素アンモニウムについては、検出率が約27%、平均検出濃度が0.6 µg/m3で、検出時期は4月から8月であった。両物質濃度について、大気汚染物質濃度との関連を解析した結果、Ox濃度との...
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Published in | 大気環境学会誌 Vol. 60; no. 3; pp. 47 - 53 |
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Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 大気環境学会
09.04.2025
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Summary: | 2022年8月から2023年8月までの1年間、都内1か所における大気PM2.5中硫酸アンモニウム及び硫酸水素アンモニウム濃度の実態調査を実施した。1週間採取を52週間、連続して実施した結果、硫酸アンモニウムの検出率は100%、年平均濃度及び最大濃度は1.2 µg/m3及び3.8 µg/m3であった。年間の濃度推移は、3月から8月の春季及び夏季に濃度が高く、9月から2月の秋季及び冬季に低くなる傾向が見られた。硫酸水素アンモニウムについては、検出率が約27%、平均検出濃度が0.6 µg/m3で、検出時期は4月から8月であった。両物質濃度について、大気汚染物質濃度との関連を解析した結果、Ox濃度との相関が比較的高く、特に硫酸水素アンモニウムは、Ox濃度週最大値が環境基準値を超えると、より高濃度になる可能性が示唆された。また、硫酸アンモニウム及び硫酸水素アンモニウムは、越境汚染による影響が懸念されているため、黄砂との関連についても調査した。測定期間中に黄砂が飛来したと推測されたのは2023年3月から5月の計5測定回で、ほとんどの場合、両物質濃度は年平均濃度または夏季平均濃度と同程度であった。 |
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ISSN: | 1341-4178 2185-4335 |
DOI: | 10.11298/taiki.60.47 |