研究 Isometric handgripexerciseによる心疾患患者の冠血流量および心筋乳酸代謝

各種心疾患患者21例において,Isometrich3Rdgripexercise(HG)を行い,色素希釈法による冠静脈洞血流量を測定した,最大握力の30%負荷HGで,冠静脈洞血流量は全例増加し,その増加度は平均19.8%であった.心筋02消費量もそれに平行して増加し,平均21.0%の増加であった.20%負荷HGでは冠静脈洞血流量,心筋02消費量の増伽は1例を除き軽度であった.HGによる冠静脈洞血流量の増加は心筋02消費量の増加と有意の順相関を示したが,その他のパラメーターの変化との間には有意の相関はえられなかった.乳酸摂取率は19例中4例において,HGにより10%以下に下降し,HG中の乳酸摂取...

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Published in心臓 Vol. 8; no. 7; pp. 685 - 692
Main Authors 池田, 成昭, 宮沢, 光瑞, 林, 健郎, 白土, 邦男, 香取, 瞭, 村口, 至
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 1976
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo1969.8.7_685

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Summary:各種心疾患患者21例において,Isometrich3Rdgripexercise(HG)を行い,色素希釈法による冠静脈洞血流量を測定した,最大握力の30%負荷HGで,冠静脈洞血流量は全例増加し,その増加度は平均19.8%であった.心筋02消費量もそれに平行して増加し,平均21.0%の増加であった.20%負荷HGでは冠静脈洞血流量,心筋02消費量の増伽は1例を除き軽度であった.HGによる冠静脈洞血流量の増加は心筋02消費量の増加と有意の順相関を示したが,その他のパラメーターの変化との間には有意の相関はえられなかった.乳酸摂取率は19例中4例において,HGにより10%以下に下降し,HG中の乳酸摂取率は冠静脈洞血流量,心筋02消費量と有意な順相関を示した.HGは虚血心においては心筋虚血を増強し,嫌気性代謝に導く負荷法であると結論される
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo1969.8.7_685